政府は31日、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言に準じた対策を可能とする「まん延防止等重点措置」について、感染が拡大している大阪府からの要請を受けて適用する方針を固めた。4月1日に正式決定する。
適用の対象地域は大阪市で、対象期間は同5日から1か月とする方向だ。
多くの人が行き交う大阪・ミナミの道頓堀周辺(31日午後6時35分、大阪市中央区で)=浜井孝幸撮影重点措置は改正新型インフルエンザ対策特別措置法で新設されたもので、適用されれば初の事例となる。
大阪府は3月31日、対策本部会議を開いた上で、重点措置を適用するよう政府に要請した。重点措置の対象区域を大阪市内に限定し、飲食店に対し午後8時まで(現在は午後9時)の営業時間短縮を要請する。マスクをしていない客の入店を拒否したり退店させたりすることや、感染防止用のアクリル板設置も求める予定だ。府が独自に推奨してきたマスクを着けたまま上げ下げして飲食する「マスク会食」の徹底も呼びかける。
対象期間を巡っては、大阪府は4月5日から3週間程度を求めていたが、政府は大型連休を含む1か月とすることで、感染拡大に歯止めをかけたい考えだ。
吉村洋文知事は記者会見で「医療崩壊の危機になる前の措置として、集中的な対策を大阪市内でとる必要がある」と訴えた。
これを受け、菅首相は31日夜、田村厚生労働相や西村経済再生相ら関係閣僚と適用決定に向けて詰めの協議を行った。首相は協議後、首相官邸で記者団に「大阪を中心に感染拡大していたので政府としては警戒を持って対応してきた。正式に大阪から(適用の)要請が来たので、連携しながら対応していきたい」と語った。
政府は4月1日、大阪への重点措置の適用について専門家の意見を聞き、政府対策本部を開いて適用を決定する予定だ。衆参両院の議院運営委員会への報告も行う。
都道府県全体が対象地域となる緊急事態宣言と異なり、重点措置は市町村や一部地域に限った対策を打つことができる。緊急事態宣言に至る前段階の措置として、知事は飲食店などに対して営業時間短縮の命令をすることが可能となり、命令に従わなかった場合は20万円以下の過料を科す。
大阪府は首都圏4都県より約1週間遅い1月13日に緊急事態宣言の対象地域となり、4都県に先行して2月末に宣言が解除された。しかし、3月31日に緊急事態宣言解除後で最多となる599人の新規感染者を確認。宣言の発令に至った1月上旬に匹敵する人数となっている。
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感染拡大に歯止めがかかるだろうか。
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