配信
国連安全保障理事会は9日、ミャンマー情勢についてオンラインの公開会合で討論した。英国が「ミャンマーを代表する人々の視点」を知るべきだとして主催。昨年11月の総選挙で勝利した国民民主連盟(NLD)の議員やミャンマーの国連大使らが、軍事政権に圧力を加え続けるよう求めた。安保理は2月1日のクーデター以降、3回の会合を開いているが、公開の場での討論は初めて。 軍事政権に対抗してNLD議員らが結成した連邦議会代表委員会(CRPH)のジンマーアウン議員は、中露などを念頭に直接的な介入を疑問視する意見があると指摘した上で、「弾圧が止まらなければ国内状況は悪化し続ける。大量の難民が国境を越えることになる」と強調。「市民は権利と自由を取り戻すために、いかなる犠牲も払う覚悟ができている」と訴えた。CRPHを正統な政府として認めることも求めた。 2月の国連総会で国軍を真っ向から非難したチョーモートゥン国連大使も、武器禁輸措置や軍関係者に対する経済制裁のほか、直接投資の凍結などを要請。発言の最後には「プリーズ、プリーズ、プリーズ」と3度繰り返して、国際社会に行動をとるよう改めて訴えた。 安保理は、弾圧を非難する議長声明などは出したが、制裁を含む介入をめぐっては意見の相違が続く。欧米各国は「国軍の方針を変えるのは具体的な行動だけだ」(米国のトーマスグリーンフィールド国連大使)とジンマーアウン氏の訴えに同調。中国は「ミャンマーの主権を尊重すべきだ」と主張し、ロシアも「このような会合はさらなる暴力を扇動するだけだ」と述べた。中露は国連大使は参加せず、代理の外交官が意見を述べた。 一方、国連のブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)は9日、隣国タイを訪問した。クーデター以降、周辺地域に入るのは初めてで、タイ高官らとの会談を予定。他の東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国や中国への訪問も調整している。ブルゲナー氏によると、ミャンマー入りは国軍側から「受け入れ準備ができていない」と拒否されたという。安保理会合では軍事政権が「無条件で訪問を認めるべきだ」(トーマスグリーンフィールド氏)との意見が相次いだ。【ニューヨーク隅俊之】
*******************************************************
国民の人権を守るためには、具体的な行動しかないだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿