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◇パ・リーグ 日本ハム1―2西武(2021年4月14日 メットライフD) 負けても光る「北のドクターK」だ。日本ハムのルーキー・伊藤大海投手(23)が14日、メットライフドームで行われた西武戦にプロ3度目の先発。6回7安打2失点と粘りの投球を見せながら、打線の援護に恵まれず2敗目を喫した。それでも、毎回の9三振を奪ってプロ初登板から続ける連続イニング奪三振を19回に伸ばし、奪三振数28個はリーグ2位。今後の登板へ大きな期待を抱かせた。 プロ初勝利はならなかった。チームの連勝も3でストップ。だけど、花冷えのメットライフドームで伊藤がまばゆい光を放った。 「まだまだ始まったばかり。これからどんどんチームに貢献できたらと思います」。プロ初黒星を喫した前回7日のソフトバンク戦で流した悔し涙はもうない。切り替えてしっかり前を向く。それだけの手応えが、この夜はあった。毎回の9奪三振。伊藤の無限の可能性がのぞいた。 西武とは3月31日の初登板に続く2度目の対戦。「2回目で神経質になりすぎた」。序盤はコースを狙いすぎて球数が増え、初回と3回に失点した。すると4回の攻撃中、厚沢投手コーチからこう言われた。「良さを出していこう」――。そこからだ。ストライク先行でテンポ良く、伊藤らしさが戻った。 効果的だったのは130キロ台でタイミングを狂わす縦のスライダー。140キロ台後半の直球も大胆に打者の懐へ投げ込んだ。走者を背負っても冷静に、要所で三振を奪う。「三振が欲しいところで奪えているのはプラスだと思う」。毎回の9奪三振は、そのほとんどが狙ったものだ。 思えばプロ初先発の最初のアウトがスライダーで空振り三振(西武・金子)だった。そこから連続イニング奪三振記録は、この夜19回まで伸びた。2リーグ制以降、新人投手の連続イニング奪三振は80年の日本ハム・木田勇の23回。そこにあと4回と迫った。そんなルーキーに勝ち星を付けてあげられず、栗山監督は「今日こそはと話していたけど、申し訳ない」と言った。 黒星でも内容は光る。伊藤には、プロ初白星も連続イニング奪三振の新人記録も、すぐそこに見えている。(秋村 誠人)
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見事な投球術に、新人ではなくエースの貫禄を感じる。
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