◇パ・リーグ 日本ハム1―1西武(2021年3月31日 札幌D)
満塁で四たび――。今季初の引き分けに終わった日本ハムは、打線の拙攻が際立った。3回は2死満塁、5回と7回は1死満塁から逸機。極めつきは9回で、無死満塁のサヨナラ機を生かせなかった。残塁は毎回の16を数え、栗山英樹監督(59)の球団タイとなる監督通算631勝目はまたお預けとなった。
今季ルールの9回引き分け目前。願ってもない、とはこのことだった。代打・樋口が死球を受け、野村は右翼線二塁打。浅間が申告敬遠で歩いて無死満塁になった。だが、本塁が遠い。あまりにも遠い。西武守護神・増田の前に大田は空振り三振。この日初打席に気合を込めた清水も遊ゴロで「6―2―3」の併殺に終わった。
「浅間のスローイングがなければ凄く怖いゲームだった。いい面もある」。栗山監督は8回の守備で左翼フェンス直撃安打の岡田を二塁で刺した守備を褒めた後、「でも正直、勝ち切らないといけないゲームだった」と話した。満塁機は9回が4度目だった。ことごとく逃し続けた。
3回2死満塁と5回の1死満塁では、2回の中前打で開幕5試合連続安打としていた野村に期待がかかった。だが、結果は遊ゴロと三振。5回は続く浅間も中飛に倒れた。7回は1死から左越え打で出塁した中田に代走・中島を送る。9回打ち切りルールをにらんだ早い勝負手。ここから満塁と攻めたが、大田は俊足の中島でもタッチアップが困難な浅い左飛、代打・杉谷も三振に終わった。
7、9回にチャンスをつくり、今季初の3安打を記録した野村について栗山監督は「あの(3、5回の)悔しさを次の打席に生かしていくんだったらそれも意味がある。一人でも選手が成長するようにやっていかないといけない」と語った。開幕して5試合。依然としてチーム本塁打は出ず、乗り切れない。指揮官は「出れば、ところてんみたいにシュッと出そうなんだけどね」と、続く本拠地2カードに目を向けた。(和田 裕司)
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打てない。
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