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政府・日本銀行が2日、再び為替介入に踏み切った可能性が出てきた。ただ、4月29日の円急騰時とは異なり、今回は円高に振れたタイミングを後追いするように円が急伸した。これ以上の円安進行を阻止するため、日本の通貨当局が戦略的に動いている可能性がある。 ■円の押し上げ介入か 事態が動いたのは日本時間2日早朝。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の記者会見が終わった後だ。FRBは1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。市場が警戒していた利上げの可能性は低下したことで円が買い戻されたところで、一気に円高が加速した。 野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「円高に振れたタイミングを捉えた『円の押し上げ介入』を実施した可能性がある」との見方を示す。円安の勢いが加速する局面よりも容易に円高に誘導できるというが、為替介入はあくまでも時間稼ぎに過ぎないとも指摘する。 ■原資は残り30兆円程度 円を刷ることで原資が調達可能な円高ドル安是正のドル買い介入と比べ、円買い介入の原資は基本的に外貨預金や残存期間が1年未満の外国証券などに限られる。SMBC日興証券の小路薫為替・外債ストラテジストは4月29日の介入で5兆円程度を使ったとしても「30兆円程度残っている可能性がある」と指摘する。 仮に2日に3兆円程度を使ったとしても、まだ20数兆円は残っている可能性が高い。小路氏は「為替介入の『無駄打ち』ができるほど潤沢ではないが、介入原資が枯渇するとの不安が生じるには距離がある」と指摘する。 ただ、FRBの利下げが遠のく中、円安基調の根底にある日米金利差が縮小に向かう動きは見込めない。大型連休中は祝日もあり、日本の市場参加者が少なく、円とドルの取引が薄くなる。3日には市場への影響力が大きい米雇用統計の発表も控える。 木内氏は「相場が落ち着いていれば、政府・日銀は静観するだろうが、円安に振れればいつ何時介入するか分からない」と指摘。連休中も政府・日銀と、短期的な売買で利益を狙う投機筋の神経戦は続きそうだ。(永田岳彦)
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物価高回避の国民受けを狙った、時間稼ぎの政府の為替介入でしょうか。
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