配信
16日に発表された1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値では、個人消費が15年ぶりに4四半期連続のマイナスとなった。長引く物価高に賃上げが追いつかず、スーパーなどでは顧客をつなぎ止めようと値下げに踏み切る動きも出ている。6月に予定される所得税と住民税の定額減税でも消費回復につながるかは見通せず、政府はさらなる対策を迫られる恐れがある。 首都圏でスーパーを展開する東武ストア(東京)は、昨年8月から対象商品を毎月入れ替えて値下げキャンペーンを続けている。昨年の春闘では今年ほどの高水準でないにしろ企業の賃上げが相次いだが、期待したほど需要は上向かず、担当者は「まだまだ家計は厳しい」と漏らす。今年8月で終了予定だが状況次第では延長を検討する。 全国でスーパーを展開するイオンも昨秋から3回にわたってプライベートブランドの一部商品を値下げした。値上げ疲れで消費意欲は減退しており、思い切って値下げしなければ客足をつなぎとめられない側面がある。 日本経済が回復軌道に乗るには、賃金と物価がそろって上昇する好循環が必要だ。だが、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金(3月時点)は過去最長となる24カ月連続のマイナスで、賃上げペースが物価上昇に追いついていない。足下で相次ぐ値下げは、日本経済が克服したかにみえた「デフレ」に逆戻りしかねない危険性をはらむ。 政府は個人消費をてこ入れしようと6月から1人当たり計4万円の定額減税を始める。また、33年ぶりの高水準となった今年の春闘を受け賃上げ効果も今後現れそうだ。 ただ、物価研究を専門とする東京大大学院の渡辺努教授は、歴史的な円安や物価高の悪影響を、賃上げや減税で払拭できるかを見極める必要があると指摘。「効果が今一つなら再び給付金や減税で足りない部分を補う必要がある」と提案する。(福田涼太郎)
**************************************************************
大企業中心の賃上げと定額減税でも、円安の物価上昇に追いつかず、財布のひもが緩むとはとても思えない。節約志向で消費が伸びないと、景気もパッとしないでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿