送電用ケーブルの窃盗事件が急増している太陽光発電施設。各地の警察も摘発に力を入れるが、無人で防犯対策が薄い施設が多いうえ、目につきやすいソーラーパネルは、盗品を売却する窃盗団にとって「宝の山の目印」(捜査関係者)とされる。被害防止に向け、金属買い取り時の規制を強化する動きも出てきた。(水戸支局 竹田章紘、椿央樹)
半年で6回
「まさかこんなに盗まれるとは思っていなかった」。茨城県小美玉市で、1・5ヘクタールの施設を管理する会社役員の男性は憤る。最初の被害は2022年12月。パネルにつながる銅製のケーブル約850メートル分(約550万円相当)が持ち去られた。再設置するたびに盗まれ、半年間で6回被害に遭った。
現在は人を感知すると警告するセンサーなどを設置。初期費用に約300万円、維持費も月数万円かかるが、被害は止まった。男性は「保険で被害額を穴埋めできたため、防犯がおろそかになっていた」と話す。
茨城は売電事業者の比較的大きな施設の数が全国で2番目に多い。昨年の窃盗被害は前年の2・6倍に増えた。被害は群馬や栃木、千葉でも相次ぐ。
外国人グループ
捜査関係者によると、狙われやすいのは、監視カメラがなかったり、警備会社との契約がなかったりする施設だ。複数人で車を近くに乗り付け、刃物で銅線を切り、荷台に載せて逃げていくケースが多い。
読売新聞のまとめでは、昨年、施設から銅線を盗んだ容疑などで逮捕されたのは、関東で少なくとも計42人。日本人は3割で、6割がカンボジア人。ベトナム、タイ、ラオス、中国人もいた。不法滞在の外国人らがSNSで集まったとみられ、捜査関係者は「無数のグループが存在している」とみる。
茨城県警が窃盗容疑で昨年夏までに逮捕した5人組のカンボジア人の男らは約80件の窃盗を繰り返したとされ、被害総額は2億7000万円に上った。警察庁は昨年12月、全国的な傾向を把握するため、太陽光発電施設の被害を詳細に集計するよう県警などに指示している。
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辺鄙な場所にあり、警備が手薄で、窃盗団にとっては、宝の山でしょう。
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