午前10時6分に始まった試合の時計の針は、午後3時6分を指していた。小雨の中、両軍合わせて36安打19得点の手に汗を握る激闘。スタンドから温かい拍手が送られる中、土浦日大ナインが最高の笑顔を見せた。
「勝った実感が湧かない。信じられないです。初戦も一回、死んだ身。(映画)007(は二度死ぬ)じゃないけれど、(選手には)土浦日大は2回死んだ、と(試合中に)言っていた」
ノーシードからの快進撃に小菅勲監督は声を震わせた。初戦(1回戦)は一回に6点を先取されながら逆転勝ち。この日も五回までに2-7とリードされた。流れを引き寄せたのが「4番・一塁」で先発出場し、七回途中から今大会初登板した井上莞嗣(かんじ)内野手(2年)だ。
1点勝ち越した直後の九回に同点に追いつかれたが、十五回まで138球を投げて1失点の力投。2年春に投手から野手に転向していた右腕が「自分としてベスト投球」を披露。それに応えようと、同点なら再試合となる“最終”十五回、今大会初スタメンに抜擢(ばってき)された8番の星野舜内野手(3年)が、二死一塁から左中間へ決勝の適時二塁打を放った。
常総学院などを率いた名将・木内幸男監督が全国制覇した取手二時代の教え子である小菅監督が2016年に就任。チームが変わった。
寮に隣接する室内練習場での練習時間が無制限に。各自が遅いときは深夜1時までバットを振った。その成果もあり、初戦から7戦連続2桁安打と打線が活性化した。
茨城県勢では木内監督が率いた2003年の常総学院以来となる全国制覇へ。勢いそのまま聖地に乗り込む。
(サンケイスポーツ)
土浦日大いいね。霞ヶ浦は呪いが解けぬか。
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