◇セ・リーグ 阪神4-1巨人(2023年4月13日 東京D)
阪神・渡辺諒内野手(27)が13日の巨人戦で日本ハムから移籍後初安打を決勝弾で飾り、ヤクルトとの同率首位浮上に貢献した。不振の佐藤輝に代わって「3番・三塁」で初先発。1―1の4回に左翼席へ打ち込み、6回には三直好捕で攻守にわたって躍動した。今年最初の「伝統の一戦」を2勝1敗で勝ち越し、岡田彰布監督(65)は阪神監督として4人目の通算400勝に到達した。
代役とは言わせない――。渡辺諒は強い信念を胸に戦場に立ち続け、勝利の瞬間、ようやく全身の緊張をほどいた。佐藤輝に代わって「3番・三塁」で加入後初先発。まばゆい輝きを放った。
「(開幕から)三振しかしてなかったので、いいところで打てて良かった。手応えも良く、“入ってくれ”と思っていた」
ハイライトは1―1の4回。次の1点が主導権へと直結することを誰よりも理解し、「甘い球を打ち損じないように」と心に刻んだ。カウント2―1からの4球目。左腕横川の高めのカットボールを強引に叩き、左翼ポール際へ。虎初安打を21年10月29日のロッテ戦以来、531日ぶりの本塁打で飾った。一気に主役へと躍り出る決勝弾だった。
「1打席目、ファウルで粘れて、全球種見られたので、それが2打席目につながった。(先発で)本当にチャンスだと思った」
守備での貢献も見逃せない。4―1の6回1死一、二塁。大城卓の三遊間への痛烈なライナーに対して左腕を精いっぱい伸ばして好捕。西純の今季初勝利をもたぐり寄せた。
7日に訴えた発熱を伴う体調不良もすっかり癒え、「特例2023」の対象選手として戦列に復帰した。2月から積み上げてきた体力は一度落ちかけ、「急ピッチで仕上げた」と振り返る。必死に戦う仲間を見て、のんびり調整することは、大の負けず嫌いである自分自身が許さない。
4歳上の兄・拓也さんはかつて弟の性格を「トランプでもゲームでも自分が勝つまで絶対にやめない」と証言した。拓也さんは東大工学部マテリアル工学科出身の秀才。次世代自動車や建築物の新素材研究などにいそしんだ経歴を持つ。東大からわずか1キロ余り離れた東京ドームで、今度は弟が初の「伝統の一戦」でその名を全国に知らしめた。「しっかり活躍して、北海道のファンも見ていると思う。まずは阪神で活躍することだけを意識してやる」。最高学府で学んだ兄に負けじと、野球界最高峰の舞台で暴れ回るつもりだ。(八木 勇磨)
◇渡辺 諒(わたなべ・りょう)1995年(平7)4月30日生まれ、茨城県出身の27歳。東海大甲府では2年夏に甲子園出場。13年ドラフト1位で日本ハム入り。直球に強いことから「直球破壊」の異名を持つ。6年目の19年に正二塁手で規定打席に到達。昨年10月に高浜とともに江越、斎藤との複数トレードで阪神に加入した。1メートル78、86キロ。右投げ右打ち。
**************************************************************
渡邉諒の本塁打、好守で、試合の流れとチームの雰囲気が変わった。
0 件のコメント:
コメントを投稿