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外国人技能実習制度を廃止し、新制度の創設などを求める中間報告書の「たたき台」が10日、政府の有識者会議で示された。日本での技術習得という「建前」と現場の労働力確保という「本音」のはざまで矛盾が噴出していた技能実習制度。発足から30年を経て、ようやく抜本的な改善の道筋が示された格好だ。 実習生を巡っては、岡山市で昨年、建設会社で実習生のベトナム人男性が2年間にわたり暴行を受けていた問題が発覚。賃金の不払いなどの不正が横行しているとの指摘も根強く、古川禎久法相(当時)は制度の実態を見直すため、有識者を交えた勉強会を設置した。 勉強会では「人材育成による国際貢献という制度の目的と、人手不足を補う労働力として扱っている実態が乖離(かいり)している」との指摘が続出。昨年12月に有識者会議が発足し、本格的に議論が進められていた。 出入国在留管理庁によると、国内には令和4年末時点で32万4940人の技能実習生がいるが、待遇に耐えかねるなどして失踪した実習生は3年中で7167人。不正行為などが原因で実習生の受け入れ許可や認可が取り消された実習先や、実習先を監督する「監理団体」も、3年度で190機関に上る。 今回示された中間報告書のたたき台では、実際には就労を目的として来日している実習生が多いのに、実習生の受け入れ目的が「育成による国際貢献」に限定されていることが問題の根底にあると指摘。育成には一定期間が必要で、実習先の変更は原則、認められていないが、有識者会議ではこうした事情が「実習生に対する人権侵害を発生させる背景・原因となっている」との意見も出た。 一方、国の認可法人「外国人技能実習機構」が実施している元実習生を対象とした調査では例年、9割前後が「帰国後、役に立った」と回答するなど、一定の成果も生んでいる。悪弊を断ちつつ、利点を残す制度をどう構築するか。少子高齢化に伴う労働力不足が不可避の中、「外国人の就労」という日本の将来像に直結する議論の行方が注目される。(荒船清太)
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将来的には、移民受入れで労働力確保でしょうか。
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