東京五輪・パラリンピックの準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長(IOC副会長、71)は21日、新型コロナによる緊急事態宣言が発令された状況下でも、五輪を強行すると断言した。五輪組織委などとの3日間の会合後の会見で、方針を示したもの。組織委の橋本聖子会長(56)が「3徹(3つの徹底)」のスローガンを掲げて懸命に国民に理解を求める中、何としても開催にこぎ着けたいIOCの本音が漏れた。
「北風と太陽」に例えるなら、何とか国民の心を暖めようと苦慮してきたのが橋本会長で、そこへ冷風を吹きかけるどころか、ツララを刺してきたのがコーツ委員長である。
発言のよりどころの一つは、宣言下でのテスト大会の成功にある。どれもクラスターの発生などはなく、一見スムーズ。だが、結局は無観客で行ったもので、完全なモデルケースになったとは言い難い。世界各地で国際大会が開かれたと言っても、五輪とはケタが違いすぎる。今の東京大会はまさに「絵に描いた餅」で、やってみなければ分からないという危うさがある。コーツ氏の自信の根拠は軽いと言わざるを得ず、「やると言ったらやるんだ」という傲慢(ごうまん)さの発露にしか聞こえない。
コロナの再拡大に伴って中止論が再燃し始めた頃、コーツ氏が「日本はペンディング(先送り)ばかりだ」と不満を漏らしていると聞いたことがある。渡航制限もあって日本に簡単に来られない彼には、ワクチン普及の遅さや、欧米と比較しても感染爆発の規模が小さく見えることも、いらだちを助長していたのだろう。「答えはイエス」は、IOC、そして組織委にとっても痛い“悪手”となった。(五輪担当・太田 倫)
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火に油か。強硬するか、中止するか、の二者択一でしょう。
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