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政府は沖縄県に対する緊急事態宣言の期限を6月20日とした一方、今月31日が期限の9都道府県に関しても延長する公算が大きくなった。7月23日の東京五輪開会式まで残すところ約2カ月。五輪開催前に新型コロナウイルスの感染を徹底的に押さえ込みたい思惑が透けて見える。政権発足当初は経済と感染対策の両立に腐心した菅義偉(すが・よしひで)政権だが、ここにきて「経済重視」から「五輪重視」に軸足を移している。 「選手や関係者の感染防止措置に万全を尽くした上で安全安心な大会にしていきたい」。首相は21日、官邸で記者団にこう語った。政府は表向き「宣言を行う判断において東京五輪は全く関係ない」(加藤勝信官房長官)との立場だが、額面通りには受け取れない。感染者数が下がり切らないまま宣言を解除すれば、リバウンド(感染再拡大)して五輪開催直前の宣言発令ともなりかねないからだ。 国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長は21日の記者会見で、東京に緊急事態宣言が発令されている状況でも五輪を開催する考えを示した。しかし、基本的対処方針分科会メンバーの舘田一博東邦大教授(感染症学)は「東京で緊急事態宣言が出されている状況の中で五輪ができるとは思わないし、やってはいけない。それはコンセンサスだ」と語った。 五輪開催断念に追い込まれればこれまでの新型コロナ対策が失敗だったことを意味する。9月末には自民党総裁の任期、10月21日には衆院議員の任期満了を控えており、首相は深手を負ったまま政権の命運を賭ける選挙に臨むことになる。 一方、五輪には逆風が吹き続けている。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が15、16両日に実施した合同世論調査によると、東京五輪・パラリンピックについて半数以上の56・6%が「中止する」と回答した。新型コロナの感染拡大が収束しない中で五輪開催を強行すれば政権にとって打撃となりかねない。 進むも地獄、退くも地獄の中で五輪前の感染封じ込めを重視する姿勢が鮮明になってきた。宣言発令に慎重だった首相も今月14日には、東京五輪マラソン競技が予定されている北海道をめぐり、専門家が発令を求めるとあっさり容認した。9都道府県の期限となる31日の判断に関しても、関係閣僚の一人はこう述べた。 「延長だろう。五輪・パラリンピックは2カ月弱あることを考えたら7月第1週までやっていいんじゃないか」(杉本康士、坂井広志)
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強行開催する覚悟があるだろうか。
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