東京五輪・パラリンピックの開催を危ぶむ声が都庁内で強まりつつある。
五輪開幕が2カ月余りに迫る中、3度目の緊急事態宣言が発令されても、新型コロナウイルスの新規感染者は増加傾向のまま。変異ウイルスが広まり、感染が減少に転じる要素も見当たらない。小池百合子知事は「安心安全な大会開催に向け全力で尽くす」と繰り返すが、都幹部からは「知事なら中止を言い出しかねない」との臆測も漏れる。
「全然減ってないじゃない」。13日、都モニタリング会議の事前打ち合わせで、小池氏は右肩上がりのグラフを示す感染者推移にいら立ちを隠さなかった。前回の宣言が2カ月半続いたことから、今回は大型商業施設に休業要請するなど「短期集中」の態勢で臨んだはずだった。
しかし、感染は収まらず、宣言は5月末まで延長。都幹部は「連休の人出減少で辛うじて年末年始のような急増にはなってない」としつつ、「感染拡大が今後も続けば五輪は難しい」と認める。
そんな中、国会周辺でささやかれているのが、都議選(6月25日告示、7月4日投開票)に向け、小池氏が顧問を務める「都民ファーストの会」の公約で五輪中止を打ち出すとの観測だ。小池氏の国政復帰論も相まって、まことしやかに広まった。都民ファ幹部は「中止を公約にする話はない」と否定しつつ、「知事が決断すれば従わざるを得ない」と明かす。都議の一人も「知事の頭には『撤退戦』の想定もあるはずだ」とみる。
これに対し、当の小池氏は14日の定例会見で「政局絡みで語られるのはいかがと思う」と不快感をあらわにしてみせた。
ただ、開催是非の最終判断をすべき時期は近づいている。ある局長は「5月末までの宣言が再び延長されることになれば、開催は厳しくなる」との見方を示した上で、こう続けた。「世論や関係者の動向もつぶさに見続け、知事自身が決断するのだろう」。
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反対多数の世論、ステージ4では、開催はどうなるのでしょうか。
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