東京都の新型コロナウイルスの患者報告数が5類移行後最多を更新したことを受け、東京都医師会は12日、都内で開かれた定例記者会見で危機感をあらわにした。
都が7日に発表した最新のモニタリング分析によると、8月28日~9月3日の定点医療機関当たりの患者報告数は17.01人で5類移行後最多。尾﨑治夫会長は、定点報告数から推測すると毎日1万5000人以上の感染者が出ていると予想され、現在の状況を「第9波に入っており、第8波のピークに迫る勢い」との見方を示した。
尾﨑会長は都のゲノム解析から「(都内では)XBB株から派生したEG.5株、通称エリスが全体の36%で主流となっている。さらに、東京で初めてBA.2.86(ピロラ)の感染が確認されている。XBB.1.5に比べて35カ所以上の変異があるといわれ、こちらに置き換わりが進むとかなり感染者数が増えると予想される。この冬にも流行する可能性があり、変異株の動向は注意深く見ていかなければならない」と言及した。
「米国でも最近、EG.5による感染者数と死者数が増えており、州によっては混雑する屋内でのマスク着用を再開する動きも見られる。新型コロナウイルスは日本でも当分収束しないという覚悟のもと、どういう対応をしたほうがいいかもう一度皆さんで考えていただきたい」
9月20日から始まるオミクロン株(XBB1.5)に対応した1価ワクチン(XBB対応ワクチン)にも触れ「これまで武漢株やBA.4、5に対応する2価ワクチンを打っていたわけですが、今回の1価ワクチンは現在流行している変異株、EG.5やBA.2.86にも感染予防や重症価予防の効果があると報告されている。今までの接種回数が0~2回の方、高齢者や基礎疾患をお持ちの方はぜひ1価ワクチンを打っていただきたい」と説明。
XBB対応ワクチンの副反応は従来ワクチンとほぼ変わらないといい「かなり重篤な副反応が出た方は自己判断で、局所の痛みや2日程度の発熱で収まる副反応であれば、今回までは無料で受けられるのでぜひ考えて」と呼びかけた。
「コロナと人類の戦いはまだまだ続く。5類になったから “コロナはなくなっている” “もう考えなくていい” ということではないので、予防などを含めて改めてコロナにどう立ち向かうかを考えていただければ」
また、9月末までとされるコロナ薬3種(パキロビット、ラゲブリオ、ゾコーバ)の公費負担について「一度第9波が収まった後、第10波がくるのではないかという予測もある。この冬の流行を乗り切るまでは引き続き公費負担をお願いできれば」と提言した。
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5類移行で正確な感染者数不明、ワクチンや治療薬の自己負担はどうなのでしょうか。 まだまだ当分収束しないでしょう。
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