街頭の人を不審者と決めつけて「逮捕」と称して拘束する様子を動画撮影し、SNSに投稿するケースが相次いでいる。公開目的の撮影が多く、顔がわかる動画もある。動画は拡散され、投稿者は収入を得る仕組み。犯罪の疑いがあれば一般人でも現行犯に限り逮捕はできるが、こうした動画は私的制裁との懸念やプライバシー面など様々な問題が指摘されている。
1日4万人以上が電車に乗り込むJR新大久保駅(東京都新宿区)の改札前。ユーチューブに8月20日に投稿された動画では、男性数人が1人の男性を囲み、時おり笑みを浮かべて問い詰める。
「何で通りすがりの女の子見てるんですか」「一般女性が見たらキモいなって思うと思わないですか」
投稿者らは、男性が女性につきまとう動きをしていたと主張した。カメラの前で謝罪させたり、交番に連れて行ったり。男性の顔にモザイクがかかり、字幕には「容疑者」とあった。
投稿した男性(30)が取材に応じた。
ユーチューバーだといい、「痴漢、盗撮の撲滅運動をしている」と言う。チャンネル登録は22万人余りで、動画投稿は2月以降で280本超。駅や街中で不審とみる人物を見つけ、謝罪させたり交番に連れて行ったりする。相手の体を押さえつける動画もあり、タイトルに「逮捕」「制圧」などの言葉が並ぶ。
新大久保駅の動画は17万回以上再生された。動画を転載したX(旧ツイッター)でも、表示された回数などを示す「インプレッション」は3600万回を超えた。
犯罪行為の確証がないままの投稿に、「何の権利があるのか」「正義を振りかざし始めると暴走が心配」などと批判の声がネット上であがった。
新大久保駅の男性はどうなったか。捜査関係者によると、何らかの犯罪行為をした証拠はなく、交番に来た直後に解放されたという。「同種の動画が端緒で容疑者を逮捕することはほとんどない」と説明した。
この動画は9月21日時点でも閲覧可能だ。投稿した男性は「炎上狙いで投稿した」と言う。撮影を繰り返してきた経験から、盗撮をしている可能性が高いと感じた、と主張。具体的根拠には言及しなかった。
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違法すれすれの動画を削除しないユーチューブにも問題ありでしょう。 コロナの自粛警察と同じで偏った正義感は危険です。
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