◇ア・リーグ エンゼルス6―10アスレチックス(2023年9月3日 オークランド) エンゼルス・大谷翔平投手(29)が本拠での10日(日本時間11日)のガーディアンズ戦までに今季の出場を終える可能性があると3日(同4日)、全国紙USAトゥデーが報じた。すでに右肘じん帯損傷で今季中の登板は消滅したが、10日以内に打者としても今季出場を終え、じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受ける可能性を報道。4日(同5日)からの本拠地7連戦が、今季最終出場となる見通しが高まった。 敵地オークランドでの試合前。名物記者がつづった署名記事に、日米メディアには緊張が走った。投手に続き、残り数日での大谷の打者としての今季終了の可能性。メディアからの質問に、ペリー・ミナシアンGMは口をつぐむだけだった。 「大谷は10日以内に今季をシャットダウン(終了)し、右肘のトミー・ジョン手術を受ける可能性がある」 USAトゥデーの看板記者であるボブ・ナイチンゲール氏が「大谷の考えに詳しい人物」の話として報じた。エ軍は4日(日本時間5日)から本拠地でオリオールズ、ガーディアンズと7連戦。同記者は「本拠地で戦い抜いてから、今季終了を発表することが理にかなっている」と7連戦の最終日となる10日(同11日)が「Xデー」となる見通しとした。 大谷は8月23日のレッズ戦登板後の検査で右肘じん帯損傷が判明。投手での今季登板は消滅し、打者に専念してきた。故障判明後はメディア対応がなく、大谷自身の意向は依然として不明。だが、近い人物の話として名物記者が伝えた今季完全終了のタイミングには、合理性がある。ワイルドカード(WC)圏内に12・5ゲーム差のエ軍は、残り25試合。4日からの本拠地7連戦を終えれば、残りは18試合となる。9年連続でプレーオフを逃すことはすでに決定的。さらに44本塁打で日本選手初の本塁打王に向けて、2位ロベルトに9本差をつけていることも決断の後押しになりそうだ。興行的にも完全な消化試合前の最後の本拠地での連戦を終えて、手術に踏み切る考えは理にかなうシナリオになる。 「2番・DH」で出場したこの日のアスレチックス戦では、自己ワーストを更新する10試合&48打席連続本塁打なしも足で見せた。四球で出塁した5回、完璧なスタートで二盗に成功。21年以来となる2度目の「40発&20盗塁」達成は球団史上初。メジャー史上でも4度のアレックス・ロドリゲス、3度のバリー・ボンズらに続き、8人目の快挙だった。 もちろん「10勝&40本塁打&20盗塁」は史上初。リーグ3位の95打点、同4位の打率・304としているメジャー6年目だが、強制終了と2度目の右肘手術決断が、目前に迫ってきた。(笹田 幸嗣通信員) ≪経過≫☆8月23日 レッズとのダブルヘッダー第1試合に「2番・投手兼DH」で出場し、初回に両リーグトップ44号2ランも、2回途中で緊急降板。検査で「右肘内側側副じん帯損傷」が判明した。 ☆同24日 球団が大谷が25~27日の敵地メッツ戦に打者出場すると発表。「(肘の状態について)追って通知があるまで」の条件付き。
☆同30日 敵地フィリーズ戦で3試合連続安打となる右前適時打。2年連続150安打、昨季に並ぶ95打点。前日にレンフローら主力6選手をウエーバーにかけたことが判明し、チームは終戦と同時に「解体」へかじを切った。
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10勝&40本塁打&20盗塁の偉業は永遠に記録に残るでしょう。
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