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物議を醸した体重超過の失格騒動が急展開を迎えている。 現地8月9日、パリ五輪のレスリング女子フリースタイル50キロ級で、決勝の当日計量で体重超過により失格となったビネシュ・ビネシュ(インド)が失格処分を不服とし、銀メダルを求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した。 事の発端は絶対女王を撃破した大金星から始まった。ビネシュは1回戦で五輪連覇を狙う日本の須﨑優衣を破る番狂わせを起こした。その後も順調に勝ち上がり、インドの女性レスラー史上初めてファイナルまで駒を進めた。だが、決勝が行なわれる朝の計量で体重超過が発覚。およそ100グラムのオーバーで、まさかの失格を言い渡された。 母国メディアの報道によると、彼女は準決勝後に水分補給などで体重が増加してしまい、その後はハードなトレーニングやサウナ、さらには血抜きや自分の髪の毛を切るなど、あらゆる手段を尽くしたものの、50キロを下回ることはできなかった。さらに追い打ちをかけるように、過度の脱水状態となり失神。病院へ運ばれた。その後、ビネシュは自身のX(旧ツイッター)を更新。「私は負けてしまいました。ごめんなさい。私の勇気はすっかり折れてしまいました。もうこれ以上の力はありません」と綴り、突然の現役引退を表明。世界に大きな衝撃を与えた。 CASによると当事者のヒアリングが行なわれ、「単独仲裁人の決定は、オリンピック終了までに出される予定」としている。そして、この報道にレスリング界の大物が関心を示している。2012年ロンドン五輪の男子フリースタイル74キロ級金メダリストであるジョーダン・ブローシュ氏は「銀メダルの可能性はまだある」とXに投稿。アメリカ史上最高レスラーの同氏も、他人事ではないと興味深く注視している。 また、射撃のインド代表として過去オリンピックに5回出場し、2008年北京大会の男子10メートルエアライフルで母国初の個人金メダリストに輝いたアビナフ・ビンドラ氏は「親愛なるビネシュよ、インドと国民はあなたの不屈の決意を称えている。マットの上でも外でも、あなたはファイターだ」と発表。ビネシュの行動を支持したレジェンドは、「すべての勝利が同じように見えるわけではない。あなたは真のファイターの精神を体現している。世界は君がチャンピオンであることを知ることになる」とエールを送っている。 すでに50キロ級の銀メダルはキューバ選手に授与されているが、ビネシュは自分にも銀メダルを与えるよう求めている。初戦敗退となったが、思わぬ形で意地の銅メダルを獲得した須﨑にとっても、気が気でないかもしれない。 構成●THE DIGEST編集部
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なぜ、失格処分に不服で提訴なのでしょうか。減量失敗が原因で、救済される余地はないでしょう。
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