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警察関係者が相次いで逮捕されるなど、不祥事続きの鹿児島県警を巡る問題は、「本部長による不祥事隠蔽(いんぺい)疑惑」の浮上にまで発展した。警察情報を外部に漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕、送検された県警本部前生活安全部長(60)の〝告発〟を受けて野川明輝本部長は7日、鹿児島市の県警本部で前日に続きコメントを発表。「隠蔽を意図して指示を行ったことは一切ない」と否定した。ただ、報道陣の取材に応じたのは2日間で計約5分のみ。県民が納得できる十分な説明だったとは言いがたい。 「隠蔽は本当ですか?」「本部長、一言お願いします」―。6日、鹿児島市の県議会庁舎。県議会本会議に出席していた野川本部長が議場を出ると、報道陣が一斉に駆け寄った。野川本部長は記者の問い掛けに答えず、終始無言のまま急ぎ足で議会庁舎を後にした。 事の発端は5日に鹿児島簡裁で開かれた勾留理由開示手続きでの前部長の意見陳述。「本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽しようとしたことが許せなかった」とし、不祥事をまとめた文書を記者に送ったことを打ち明けた。前部長は「マスコミが記事にすることで、不祥事を明らかにできると思った。決して自分の利益のために行ったことではない」などと訴え、警察組織としての在り方にも疑問を投げ掛けた。 前部長による主張の真偽は不明だ。だが、こうした疑惑が浮上した以上、野川本部長は組織のトップとして説明責任を果たす必要がある。 6日、報道陣の取材に応じない野川本部長に対し、新聞と通信、テレビ各社が加盟する県警記者クラブは、会見を開いてコメントを発表するよう申し入れを行った。これに応じる形で同日夕、野川本部長がカメラの前に立った。 野川本部長は「前生活安全部長が、県警の他の部長を問い合わせ先と記載した上で、公表を望んでいないストーカー規制法違反事件の被害女性の個人名などを第三者に漏らした。警察職員の模範となるべき立場にあった者が逮捕されたことを大変重く受け止めている」とコメント。逮捕された前部長から「本部長が不祥事を隠蔽しようとした」と名指しされたことについては「承知している」とし「(前部長が意見陳述で隠蔽されたと主張した)二つの事案については、県警において被疑者を逮捕するなど、いずれも必要な対応が取られている。被疑者(前部長)の主張については、事件捜査の中で必要な確認を行っていく」と述べた。 野川本部長が取材に応じたのはコメントを読み上げた時間を含め約3分。7日は「自身の隠蔽を否定しなかったなどと報道で取り上げられた」(野川本部長)のを理由に、新たなコメントを発表。質疑は限られ約2分で終了した。疑念は払拭(ふっしょく)されていない。 4月以降、前部長の事件とは別に情報漏えいや不同意わいせつ、盗撮の疑いで現職警察官3人が逮捕されるなど異常事態が続く県警。警察庁の露木康浩長官は6日の定例記者会見で相次ぐ不祥事に言及し、鹿児島県警に対して監察を実施する方針を示した。 5日にあった県議会一般質問で議員の質問に答えた野川本部長は「県民のための警察という気持ちで初心に返り、職員一丸となって取り組んでいく」と語っている。不祥事の再発防止対策や組織改革も急務だが、県民がまず知りたいのは真実だろう。
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十分な説明や監察の調査により真実が明らかになるでしょうか。身内の不祥事の隠蔽やもみ消しは、昔から日常茶飯事でしょうか。
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