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<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-0西武>◇9日◇甲子園 「おう。ビックリしたよ。試合終わったとき、ベンチの裏に。あいつ、戻ってきてたんよ」-。 惜しくも“ノーノー”を逃した才木浩人の好投、つながった打線と文句なしの快勝後、指揮官・岡田彰布を驚かせたことがあった。渡辺諒がベンチ裏にいたことである。病院にいるか、帰宅していると思っていた渡辺が甲子園に戻り、試合を見守っていたのだ。 虎党なら承知だろうがアクシデントがあったのは3回表だ。2死一塁から奥村光一の打球は一塁ファウルゾーンに高く上がる。これを追った一塁手・渡辺はフェンス際でミットを出したものの、そのままカメラマン席に落下。プロレスの“バックドロップ”のような形で背中から倒れ込んだ。 頭部を打ち、動けない状況に一時は担架も運ばれた。しかし数分後、自力で立ち上がる。そのままトレーナーに付き添われ、病院へ向かった。幸い、大事には至らなかったがそのまま球場に戻ってきたことで岡田を驚かせたのだ。 「大丈夫です。取れた打球でもありましたし、才木に申し訳なかったなと思います。しっかり練習して次はしっかりやっていきたいと思います。今、ほんと、野手としては必死にプレーすることが一番ですし」。 渡辺はそう話した。ケガは避けなければならないけれど、捨て身のプレーには、やはり尊敬の念を持ってしまう。もちろんプロとして生き残るため、自分のためだが同時に投手のため、チームのために、という精神が伝わってくるからだ。 7回、交代で入った糸原健斗の中前打から好機を広げ、打線は3得点。才木の好投も得点できなければ勝利につながらないので、これは大きかった。惜しくも安打を許したが虎党が盛り上がった時間でもある。 「イトさんも急に代わって、あそこまで活躍してくれたので僕としてもうれしいですし、負けないように練習していい結果が出るように頑張りたい」。渡辺はそうも話した。“生え抜き”ではないだけに気合が入っているのだろう。こういう姿を最初から阪神にいる選手に見てほしい。 こんな選手がいればチームに勢いは増すはずだ。楽天に3連敗して勝率5割に逆戻りしたとき、岡田は「明日から開幕」と言ったけれどその“開幕カード”で3連勝。もちろん勝負はまだまだ先だが、そう言える状況を取り戻しつつあるのかもしれない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)
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気合のプレーは必要も、バックドロップは危険でしょう。
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