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東京都の都立高校で2016年、危険な体勢でプールに飛び込みをさせ当時3年生だった元男子生徒に両手足まひなどの障害を負わせたとして、業務上過失傷害の罪に問われた教員の松崎浩史被告(49)の判決公判が22日、東京地裁であった。鏡味薫裁判官は「生徒の安全を守るべき教諭としての過失は重い」として、求刑通り罰金100万円の判決を言い渡した。 判決によると、松崎被告は水泳の授業で元生徒に対し、プール上に差し出したデッキブラシの柄を越えて飛び込むよう指示した。判決は、この指示で元生徒の入水角度が大きくなりプールの底に頭を打ち付けたと認定。そのうえで「被告は危険性を認識していたのに十分に検討しなかった。被害者は生活全般の介助が必要になり、結果は重大だ」と指摘した。 松崎被告はこれまでの公判で、元生徒に謝罪したうえで、デッキブラシを使った理由を「少しでも遠くに飛べればと思った」と説明。ただ「事故は故意ではなかった」と述べた。元生徒は「私の体は一生戻らない」と訴え、教育職員免許法上で失職となる禁錮以上の実刑判決を求めていた。ただ検察側の求刑が、失職の対象とならない罰金刑だった。 元生徒の母親は判決後、「判決は納得できず息子も私も家族も次の一歩が進めない」とコメントした。 松崎被告は東京簡裁に略式起訴されたが、簡裁は書面審理のみの略式裁判は相当ではないと判断し、正式な裁判を開くと決定していた。事故をきっかけに都は、飛び込みでなく水中から原則スタートするようすべての都立高校に通知した。 ■元生徒 「教員をやめて」「罪に向き合っているとは思えない」 元生徒が公判で読み上げた意見陳述の主な内容は以下の通り。 事件から5年3カ月が経ちました。医師からは「普通だったら死んでいた」と言われました。こんなに医学が発達しているのに、私の体が回復することはありません。 1日も安心して生活を送ったことはありません。入院、検査、手術と、病院に通い続けた日々を想像できますか。被告は、私の大変さを全くわかっておらず、自らの罪に向き合っているとは思えません。被告は教師に戻り元の生活に戻りましたが、私の母は店をつぶして介護の毎日です。 被告は「教員をやめることも考えた。死ぬことも考えた」と述べましたが、なぜ教員以外の仕事を考えないのでしょうか。不幸になってほしいというのではありません。責任をとって(教員を)やめてほしいのです。私の体は一生戻りません。家族の平穏な生活も戻りません。(新屋絵理)
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両手足まひの要介護で、罰金100万円の判決はどうなんでしょうか。
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