第49回衆院選は1日、全465議席の当選者が確定した。自民党は259議席を獲得。追加公認2人を含め、国会運営を主導できる絶対安定多数(261)に単独で達した。公明党の32議席を合わせ、与党で293議席を確保した。岸田文雄首相(64)は、小選挙区で敗北し辞意を表明していた甘利明幹事長(72)=神奈川13区、比例復活=の後任に、茂木敏充外相(66)=栃木5区=を充てる人事を決めた。一方、14議席減の96議席となった立憲民主党の福山哲郎幹事長(59)も辞任の意向を表明。与野党ともに「選挙の顔」が交代する異例の事態となった。 甘利氏の辞意表明から一夜明け、岸田首相は外相の茂木氏を幹事長に充てることを決めた。党本部で、岸田氏らと会談した茂木氏は受諾。「総選挙で国民の皆様から信任を頂いた。しっかりそれに応えていかなくてはならない」と決意を語った。岸田氏からは新型コロナや経済対策のほか、党改革についても進めてほしいと要望を受けたという。 旧竹下派の竹下亘元復興相が9月に74歳で亡くなり会長不在の中、茂木氏は会長代行を務める事実上の派閥の長(おさ)。岸田政権は総裁選で支援を受けた細田派、麻生派、旧竹下派を重用しており、今回の人事もその流れを踏襲した形となった。 茂木氏はこれまで選挙対策委員長、政調会長などを歴任。「頭はキレるが、口は悪い」との評もある。茂木氏は幹事長職について、「非常に重い責任なのでしっかりその責任を果たしたい。みなさんから、親しみを持っていただけるような幹事長になりたい」と語った。岸田氏も党本部で「正式には4日、総務会を開いて手続きを行う」と述べた。政府、与党は首相指名選挙を行う特別国会を10日に召集する方針。外相の後任には林芳正元文部科学相(60)を充てる案が浮上している。 自民、公明の与党は過半数を大きく上回る293議席を確保したが、党内に高揚感はなかった。小選挙区では閣僚経験者が次々に敗北。中でも甘利氏の小選挙区での敗退は「痛恨だった」(党関係者)。岸田氏は9月に行われた総裁選の論功行賞として麻生派から甘利氏を幹事長に起用。金銭授受問題で経済再生担当相を辞任した経緯があったが、経済安全保障政策などに深い見識を持つことから、党内のまとめ役としての期待があった。だが、わずか1か月での幹事長交代となり、人事の失敗を印象づけた。 幹事長起用の決まった茂木氏は、衆院選で共産候補にトリプルスコアの大差で10選を決め、地盤は盤石だ。茂木氏を要職で起用することで、早急に「甘利ショック」からの立て直しを図る狙いもある。
◆茂木 敏充(もてぎ・としみつ)1955年10月7日、栃木県生まれ。66歳。東大、米ハーバード大大学院修了。丸紅、読売新聞社、米マッキンゼーなどで勤務。93年衆院選で初当選。党内随一の政策通で、選挙対策委員長、政調会長などを歴任。2019年9月から安倍、菅、岸田内閣で外相を務めた。当選10回。
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頭はよさそうも、人望がなく、まとめ役が務まるのでしょうか。
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