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脱税や所得隠しなどに関与した疑いのある税理士が、国税当局の調査中に自主廃業する“懲戒逃れ”が相次いでいた。処分に伴う氏名や不正の公表を避けたいという思惑があるとみられ、「逃げ得」を許す制度の不備が浮かび上がる。
「税理士としてやってはならないことをしてしまい、本当に反省している」。岐阜市の税理士法人「アンビシャス会計事務所」(解散)の所員だった元税理士の男性(59)は、取材にそう声を落とした。
国税当局の認定によると、男性は、人材派遣会社の元社長(56)(消費税法違反で有罪)から「納税額を減らしてほしい」と依頼を受けた税理士法人の元所長男性(54)の指示に従い、不正な申告書を作成した。
元所長からは具体的な金額のほか、社員の給与を消費税の控除対象となる外注費に仮装するよう求められたといい、男性は「何度も『こんなことはやめさせてほしい』と元所長に頼んだが、聞き入れてもらえなかった」と打ち明ける。
男性は昨年1月、懲戒処分の中で最も重い業務禁止処分を受け、少なくとも3年間は税理士に復帰できなくなった。ところが、元所長は国税当局の調査が続いていた19年7月、税理士を自主廃業。懲戒処分は行われず、氏名や不正内容も公表されていない。
元所長は公認会計士で、岐阜市で監査法人も経営。公認会計士法では、税理士法に基づく処分を受けた場合、会計士としての信用失墜行為にあたるとして業務停止などの懲戒処分を科すと定めており、国税当局は二重の“懲戒逃れ”の可能性があるとみている。
処分を受けた男性は「過ちを認め、周囲にきちんと謝罪したかった。何年かかるかわからないが、いつか税理士として再起したい」と語った。元所長については「不正を指示しながら処分を受けず、事実も公表されないのはおかしいのではないか」と首をひねる。
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悪質な懲戒逃れを許してはダメでしょう。
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