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開催中の夏の甲子園。13日に行われた第9日目の第2試合で市和歌山(和歌山)が神村学園(鹿児島)に敗れ、公立校勢はすべて姿を消した。 私学は推薦や特待枠で選手を集めて鍛え上げるのに対し、公立校はそうはいかないし、施設面でも劣る。圧倒的に不利な環境ではあるが、「私立優勢の時代だからこそ、私立校に勝ちたい」と話したのが前橋商の住吉信篤監督(49)だ。 夏の甲子園に群馬勢から公立校が出場するのは実に11年ぶりだった。大舞台では初戦のクラーク国際に敗れてしまったが、住吉監督は公立校としての“意地”についてこう話していた。 ◇ ◇ ◇ ──群馬では公立校の夏の甲子園出場は11年ぶり。私学への競争意識はありますか。 「群馬は私立校優勢の時代だからこそ、私立校に勝ちたいという思いで私も生徒もやっています。その気持ちは強いですね」 ──住吉監督ご自身も前橋商出身です。 「当時は前橋工、高崎商、前橋商が強かった。私は前橋商がセンバツ出場を決めた年に、その影響で入学したんです。でも時を経てみるみる私立が力をつけて……だからこそ、なんとかしてやろうという気持ちが強くあります」 ──有望中学生のスカウト活動は大変でしょう。 「そりゃ大変ですよ。硬式経験者はほとんど私立に行ってしまいますから。ウチの登録メンバーは全員群馬出身で、しかも大半が中学まで軟式野球をしていた子たちです。その軟式経験者たちのトップ層は県の選抜メンバーに選ばれ、みんな私立に行ってしまう(笑)。だからアンテナを張り巡らせて、ポテンシャルは高いけれど、これからという子たちを探しています」 ──県内のみならず、全国から選手をかき集める私学もありますが、どう思いますか。 「正直ね、私立さんも経営がありますから、それを私がどうこう言うことはできませんし、言うつもりはありません。けど、やっぱり高校野球と考えた時には、地域の子達が県内で頑張って……というのが理想だとは思います」 ■入部当初の選手の能力は私学に劣るが… ──昨夏の甲子園は高松商(香川)が8強の大活躍。同じ公立校としてどう見ていましたか。 「古豪の商業高校が活躍していて、刺激をもらいました。そういうところをモデルに……というわけではないですが、いい部分を吸収して、どうやったらまた(公立校が)復活できるかを考えています。実は、私は広島商の監督と仲が良くて。今年の2月に広島商に行き、情報交換会をしました。どうやったら公立校でも勝てるかと。工夫したり、試行錯誤をしなくては勝てませんので」 ──失礼ですが、入部当初の選手の能力は私学に劣る。どうやって強いチームを作ったのですか。 「(個々の能力は)やっぱり負けますね。足りないところ全部を強化するのは難しいから、3年後にどのような形でチームの役に立てるかを入学当初から想像させ、そこに向けてストロングポイントを伸ばすように言っています。私はそのサポートをする。そうして20人が集まった時、組織としての強さを発揮できるように意識してチームを作っています」 ──私学より、活動時間や施設面などのハンデもあります。 「野球をしている時間だけではなく、学校生活もすごく大事だと思うんです。6限まで授業があって、それは練習時間よりも長い。そこで鍛えられるものが必ずあります。例えば、数学が嫌いでも頑張ってみる。そうしたことを積み重ねて培った忍耐力などはすごく大きな力になる。生徒たちにそう説いています。これは結果的に野球だけでなく、進路にも繋がっていますね」 ──そうして、今夏はオール群馬で甲子園。 「今回ウチが甲子園に出たことは、周りへの刺激になったと思います。周囲の方もすごく喜んでくれました。この5年間で夏の県大会で3度も4回戦まで行っているんです。そこで私立の壁に跳ね返されて、跳ね返されて。4年前は決勝で前橋育英に負けて、悔しい思いをしました。そんな姿を見て入学してくれたのが今の3年で、彼らがようやく達成してくれた。卒業生たちが蒔いてきた種が開花してくれたんだと思います」 ◇ ◇ ◇ 今夏は快進撃……とはならなかったものの、古豪復活の一歩になったはずだ。
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私学に集まるのは仕方ないでしょう。私学の知名度アップには、優秀な選手が必要でしょう。
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