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岸田文雄首相が4日に行った記者会見の要旨は次の通り。 ■冒頭発言 マイナンバーのひも付けの誤りを巡り、国民の不安を招いていることをおわび申し上げる。信頼回復のための3つのポイントを徹底し、国民の信頼を取り戻した上で、わが国にとって必要不可欠であるデジタル改革を本格的に進めていく。 第1は個別データの総点検だ。自治体や保険者とともに、原則として秋までに必要な個別データの総点検を実施する。 第2は再発防止の徹底だ。手作業でマイナンバー登録を進める中、再発防止のためにマイナンバー照会の手法や登録の手続きなど国レベルで横断的なルールを定める。プロセスも可能な限り機械化していく。これらの総点検の中間報告や再発防止については、8日にマイナンバー情報総点検本部を開催し、公表する。 第3は、デジタル化への理解促進とマイナ保険証への不安払拭だ。 岸田政権はなぜ、デジタル化を急いで進めるのか。2020(令和2)年、私は(自民)党の政調会長として新型コロナウイルスとの闘いの最前線に立ち、わが国のデジタル化の遅れを痛感した。欧米諸国や台湾、シンガポール、インドなどで円滑に進む行政サービスが、わが国では実現できないという現実に直面し、わが国がデジタル後進国だったことに愕然(がくぜん)とした。この「デジタル敗戦」を二度と繰り返してはならない。 なぜ、マイナカードの早期普及が必要なのか。私たちの普段の暮らしは、免許証やパスポートが身元確認の役目を果たしている。では、顔が見えず、なりすましも簡単なオンラインの世界で、身元確認や本人確認をどうするのか。その役目を担うのが電子証明書を内蔵しているマイナカードだ。 マイナカードはデジタル社会のパスポートと呼ばれている。個人や中小企業のさまざまな事情を配慮したきめ細かい公共サービス、生活サービスを全国津々浦々で効率的に行える公的基盤を一刻も早く整えたいとの強い思いを持って政策を進めてきた。 マイナカードと健康保険証については、現行の保険証を来年秋に廃止するのは乱暴ではないか。廃止ありきではなく、国民の理解が必要だとのご指摘をいただいている。私自身、マイナカードを巡る一連の事案発生以来、現行の健康保険証の廃止は国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提と申し上げてきた。 こうした国民の声、現場の声を重く受け止め、国民の不安払拭を最優先とした対応をとっていく。必要なときに必要な医療にアクセスできる医療保険制度は、国民生活の安心そのものであり、その信頼を揺るがすことはできない。国民の不安払拭と、国民一人一人にデジタル化による利便性をしっかりと理解していただくことが必要だ。 このため、健康保険証を廃止する際にも、全ての国民が円滑に医療を受けられるよう、マイナ保険証を保有していない方全員に資格確認書を発行し、その有効期間やカードの形状も現行の健康保険証を踏まえたものとするなど、きめ細かい対応を徹底する。 マイナ保険証を保有していない方も、現行の健康保険証を廃止してもこれまで通り保険医療を受けることができる。国民の不安払拭に万全の対応をとる。 さらに、秋にも完了するひも付けの総点検と、その後の修正作業を私自身が先頭に立って進めていく。作業の状況も見定めた上で、さらなる期間が必要だと判断される場合には必要な対応を行う。 政府としてはマイナ保険証への移行に際し、マイナ保険証のスマートフォン搭載、電子処方箋の普及、新たなマイナカードへの移行を着実に進め、マイナ保険証のデジタル環境を整備していく。 同時に、受診履歴に基づくより質の高い医療、重複投薬の防止など、マイナ保険証によるメリットを国民に実感していただける実効的な仕組みを作っていく。こうしたデジタル化の取り組みにより、国民に選ばれるマイナ保険証にしていくことに全力を尽くす。 (河野太郎)デジタル相には関係大臣と連携し、8日に総点検の中間報告と再発防止をあわせた対策をまとめるよう指示した。 日本が目指すもの。それは世界最先端のスマート行政府の実現だ。マイナカードの信頼回復にめどをつけ、この秋から令和版デジタル行財政改革を進めていく。 ■一問一答 ──(来秋予定している健康保険証の廃止時期は)延期もあり得るか。マイナ保険証と資格確認書で、国民がある程度二分されるのは仕方ないか 「資格確認書の発行で切れ目のない医療提供、マイナ保険証のメリットの十分な説明・周知を着実に進める。健康保険証の廃止時期の見直しありきではない。総点検と、その後の修正作業を見極めた上で、さらなる期間が必要と判断される場合には、健康保険証の廃止時期の見直しも含め、適切に対応する」 ──秋本真利外務政務官が辞任した。任命責任も含めた受け止めと政権運営への影響は 「国民の疑念を招くような事態になったことは大変遺憾だ」 ──総点検の継続性の観点から、現在の関係閣僚は続投させて対応を継続させる考えか。点検作業中の衆院解散・総選挙は 「マイナンバー制度に対する国民の信頼回復とデジタル化の推進に万全を期していきたい。今の時点で選挙についても、人事についても、何も決めていない」 ──18日に米国で日米韓首脳会談が開かれる予定だが、この3カ国の枠組みで日本が果たす役割は 「これまで首脳レベルを含め重層的に積み重ねてきた米国、韓国との連携の土台をさらに強化する会談になると期待している。北朝鮮への対応、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化。こうした課題について、3カ国の戦略的な連携を一層強化していきたい」
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やはり聞く耳がないのでしょう。
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