資源エネルギー庁が8月16日に発表した全国平均のレギュラーガソリン価格は、13週連続で上昇。前週比1.6円高の1リットル181.9円になった。これは15年ぶりの高値だ。ちなみに、1990年に統計を始めて以来の最高値は、2008年8月の185.1円だった。 「価格高騰の理由は複合的です。産油国が減産していることもありますが、急ピッチで円安が進行していることも大きいです。2008年当時は1ドル110円近辺でしたが、いまは145円です。そして、政府による補助金の段階的縮小もあります。ガソリンの元売りが大手に集約されたことで、価格競争が働かなくなったことも背景にあります。 今後についてですが、政府の為替介入などを除けば、日米の金利差などで円安が是正されることはなく、原油も高止まりすると予想されます。現在、かりに補助金がないとガソリン価格はさらに7円ほど上がり、189円になっています。この補助金は9月末で終了しますから、年末に向けて200円に到達することは大いに考えられます」(経済ジャーナリスト) 生活者にとっては大打撃である。そのため、国民の間には「トリガー条項を発動してくれ」という声が日に日に高まっている。 「トリガー条項は、2010年に当時の民主党政権で法制化されました。ガソリン税とは揮発油税と地方揮発油税のことですが、連続する3カ月の平均小売価格が1リットル160円を超えたとき、特例税率として上乗せされている分の25.1円を、一時的に免除するというものです。 しかし、これまで実施されたことはありません。2011年に起きた東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が凍結されていました」(社会部記者) トリガー条項を発動するには、この震災特例法を改正する必要がある。連立を組む公明党からも「トリガー条項を凍結している法律の改正もやむなし」の声が上がる。その一方で、自民党からは積極的な声が聞こえてこない。 「それは税収の問題です。ガソリン税による税収は年間2兆円を超えます。このうち上乗せ分からは1兆円ほど徴収できている状態です。トリガー条項が適用されると、これがなくなるので財務省は強固に反対しています。岸田さんは財務省寄りですから、法改正をする可能性は低いでしょうね。 松野博一官房長官も、会見で『発動された場合、国や地方の財政へ多大な影響がある』として否定的です。萩生田光一政調会長も2022年、経済産業大臣だったときに国会答弁などで『現時点で、政府として考えていない。激変緩和措置(補助金)が効果をあげている』と説明していました。しかし、その補助金がなくなるのですから、あらためて考える時期に来ていると思います」(前出・経済ジャーナリスト) 全国石油業協同組合連合会など業界団体も、2022年4月に「駆け込み需要の発生や売り切れなど消費者や現場の混乱が懸念される」「スタンドの地下タンク在庫数量の届出等税務手続き上の混乱が懸念される」「灯油、および重油が対象外で油種間で不公平感が生じる」などとして、政府に反対の申し入れをしている。 しかし、ネット上で聞かれるのは、国民からの“悲鳴”だ。 《ガソリン価格の半分は税金だろ?何十年も税金取って何に使ってるかも分からない》 《高騰してる時くらい減税して欲しい。いつまでガソリンの重税を知らない振りするのだろうか》
政府の対応は果たして……。
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ここまで高騰すると、ガソリン税の減税が必要でしょう。
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