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◇第105回全国高校野球選手権記念大会第12日準々決勝 土浦日大9―2八戸学院光星(2023年8月19日 甲子園) まるで39年前の夏のようだ。選手が自分たちで考え、巧みな采配に乗る。土浦日大(茨城)初のベスト4。校歌を口ずさみながら小菅勲監督は選手たちを優しく見つめた。 「何回聴いてもいい校歌。みんなでつかんだ勝利です」。少し茨城弁が交じる言葉をお立ち台で響かせた。 84年夏に名将・木内幸男監督率いる取手二の三塁手として県勢初の全国制覇。今のチームの勢いはあの夏と同じだ。名将同様に試合展開を「5点勝負」と読み、3点リードの4回無死一、三塁では前進守備を敷かず、遊ゴロの間に1点失ってエース左腕・藤本士生(3年)へ交代。「自分が後ろの方が流れがきやすい」と5回2/3を1失点に抑え、すかさず後半に仕掛けた。 3―2の6回だ。1死一、三塁で一度ファウルになった後、再度スクイズのサインを出して、8番・鈴木大和(3年)が見事に決めた。「あの1点が欲しかった」という4点目で打線がつながる。この回一挙5点。流れを読み、采配に選手が応える。まさに「木内マジック」だった。 開幕戦で上田西(長野)にタイブレーク勝利の翌日、小菅監督は須磨海岸を訪れた。39年前、初戦でV候補の箕島(和歌山)に勝った翌日に行った思い出の地だ。「膝までしか入るなって言われたのにみんな飛び込んでね。験担ぎで行ってきました」。県勢で木内氏以外の監督で初の夏の4強。「まだ足元にも及びません」と言いながらも、24時間不眠の練習など独自の選手育成でここまできた。 準決勝の相手・慶応には、84年決勝で勝ったPL学園(大阪)の清原氏の次男・勝児がいる。4月の練習試合の際「昔、お父さんと試合したんだぞ」と話すと、驚いていたという。運命に導かれ、土浦日大の進撃はクライマックスへ向かう。(秋村 誠人)
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慶応に勝っても、優勝候補の仙台育英にはどうでしょうか。小菅マジックが楽しみです。
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