6回には三振振り逃げ、ワイルドピッチでピンチを広げ、そこからタイムリーを打たれて日本に追いつかれた。極め付きは同点で迎えた8回裏の守備だ。1死1、3塁で、代打・内川のライトへの大きなファウルフライを外野手が捕ってしまった。8回に勝ち越し点を与えるのは致命傷になりうる。捕球したライトの選手は本塁へ大遠投したので、刺す自信があったのだろうが、捕らずにファウルにするのがセオリーだ。こうした野球をしていては、接戦に勝てない。
その点、日本は確実な野球をした。
7回の守備。キューバの1番打者の「走り打ち」でショート前に飛んだゴロを、坂本が突っ込んで「走り捕り」し、「走り投げ」でアウトにした。事前の情報で、意識もあったのだろう。ゴールデングラブ賞の守備は質が違う。
攻撃では、前述した勝ち越し点の後の追加点だ。まずいプレーで落ち込むキューバに追い打ちをかけるように、山田が初球をたたいてダメ押しの2ラン。日本の選手は勝負所を知っていた。
前評判がそれほど高くなかった日本が、これで堂々の5連勝だ。
何がいいのか、といえば、お互いにカバーし合っていることだ。
2次ラウンドに入ってから、1次ラウンドで好投した石川と菅野の両先発が打ち込まれて早めに降板すると、1次ラウンドでパッとしなかった救援陣が踏ん張った。2次ラウンドの2試合で延べ13人のリリーフ陣は2点しか失っていない。
打線も同じだ。
オランダ戦で活躍した中田(3安打5打点)、坂本(3安打)、青木(2安打)が、そろいもそろって、この日のキューバ戦では無安打に終わった。すると、オランダ戦でそれぞれ、5打数0安打、5打数1安打と当たりが止まっていた筒香と山田が大爆発。筒香は3安打2打点、山田は2本塁打を含む3安打3打点で、前の試合の借りを返した。
高校野球では、大会中に勝ち進むうちにだんだん強くなる、というチームがある。日本代表を高校野球と比べるのは失礼かもしれないが、いまの侍ジャパンには、全員野球で進撃する、そんな強さがある。
(読売新聞)
今日のイスラエル戦は楽勝だろう。
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