右足首痛で出遅れていた日本ハム大谷翔平投手(22)が11日、イースタン教育リーグ・楽天戦(鎌ケ谷)で今季初実戦に臨み、いきなり右中間席へアーチを描いた。3回1死二塁の好機に、楽天横山のシュートをスタンドまで運んだ。第1打席も中前適時打で、2打数2安打3打点。ドジャースなど7球団が駆けつけたメジャースカウトも仰天。震災からちょうど6年となる特別な日に、不安を一掃するスタートを切った。
大谷が表舞台に戻ってきた。3回1死二塁。楽天横山の甘く入ったシュートを、バットの先でとらえた。メジャー7球団のスカウトが見守った放物線は、右中間フェンスを越えた。「甘い球をしっかり振れてよかったです。単純に、試合に出られるのは楽しかったです」。復帰、即今季1号。2軍戦ではモノが違った。
右足首痛のため、米アリゾナキャンプ直前の1月31日に投手でのWBC辞退を表明。野手出場も見送りとなり、リハビリを続けてきた。この日もソックスの下にサポーターを装着。1回1死二塁の初打席は、昨年11月13日、侍ジャパンの強化試合以来、4カ月ぶりの打席で「見え方は(順調なときと)違った」。実戦勘の不足を自覚も、フルカウントから143キロ直球を中前にはじき返した。2打数2安打3打点。走者として、ストップとゴーを繰り返す動作も確認できた。
鎌ケ谷の寮のテレビでは、侍ジャパンの縦じまを目で追っている。遅れたが、ようやく自分も、グラウンドに立つことができた。東日本大震災の「3・11」の実戦復帰に「そこがどうのこうのはない」。結びつけることはなかったが「1日1日を頑張ってやってきた。今日もそう取り組めた。継続してやっていきたい」。
今日12日の教育リーグ・ロッテ戦(鎌ケ谷)に出場後、問題がなければ、1軍に合流する。「先が見えていないよりは、見えている方がいい。ひとつひとつ確認していくことが、自信や安心につながると思う」。投手としてはブルペン投球のメドも立っていないが、開幕出場を目指す打者として順調に進んでいる。【本間翼】
<大谷の調整過程>
1月31日 米アリゾナキャンプイン前日、右足首痛でWBCの投手としての出場断念。
2月1日 キャンプ初日、完全別メニューでランニング、キャッチボール、屋内ティー打撃。
同2日 WBC野手出場も見送り。ランニングなど別調整。
同3日 ティー打撃など別メニュー。「今は目標を見失っている」と心境吐露。
同7日 キャッチボールの際、スパイクを着用。1月24日以来2週間ぶり。
同14日 屋内練習場で1月末以来のマシン打撃。
同15日 土のグラウンドで、リードオフから2、3歩ダッシュを繰り返す。
同18日 キャンプ初のフリー打撃、推定160メートル弾もマーク。
3月11日 約4カ月ぶりの実戦となるイースタン教育リーグ楽天戦に出場。
(日刊スポーツ)
投手封印で、打者専念か。
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