気温22度、うす曇りのなかスタートが切られた2017年のインディ500。ポールポジションのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)を先頭に12時26分にグリーンフラッグが振られる。
F1モナコGPを欠場しインディ500に挑戦しているフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ・アンドレッティ)は、佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)のとなり2列目センターポジションからスタートするもポジションを9番手にダウンしてしまう。
序盤は7番手からスタートでジャンプアップしたトニー・カナーンがトップに立ち、ガナッシデュオが交互にレースをリード。28周目にカナーンがまずはピットイン。ほかのドライバーも続いていき、アロンソも30周目終わりに初めてのピットイン作業を終える。
各車ピットインを終えるとトップはエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、2番手にアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、アロンソは3番手に浮上する。
アロンソは36周目のストレートでカーペンターを交わし2番手に、その翌周にはロッシを抜きトップに浮上。初のリードラップを記録する。44周目には琢磨がカーペンターを交わし、アンドレッティ・オートスポートが1-2-3でレースを進める。
しかし、53周目に大きなアクシデントが起きる。コーナーを回りきれずウォールにヒットしたジェイ・ハワードにディクソンがぶつかり、ディクソンのマシンは宙を舞ってイン側の壁にヒット。マシン後部を失う大きなクラッシュとなった。
レースはSAFERウォールや金網の修復のために55周目にレッドフラッグが振られ一時中断。
20分ほどでレースはアロンソをトップに再開する。アンドレッティ・オートスポート勢は好調で、アロンソ、ロッシ、琢磨、ライアン・ハンター-レイが1-2-3-4でレースを進める。琢磨も65周目にトップに浮上。2012年以来のリードラップを記録する。
コナー・デイリーのクラッシュやデブリによって2度のコーションが入り、レースは中盤戦へ。ピット作業で遅れた琢磨は徐々にポジションをダウン。
レース半分、100周目を終えてステイアウトしピット戦略を変えてきたエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がトップ。ハンター-レイ、ロッシ、アロンソ、カナーンと続く。
好調のアンドレッティ勢だったが、137周目にハンター-レイがエンジントラブルでリタイア。そのコーションのピット作業でロッシもエンジンをストールしてしまいトップ争いから脱落してしまう。
167周目でチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)がエンジントラブルで再びコーションに。ここで多くのドライバーが最後のピットインし、レースは最後のスティントへ。
トップはコーション前にピット作業したマックス・チルトン(チップ・ガナッシ)がトップ。エド・ジョーンズ(デイル・コイン)も同タイミングでピットインしており2番手に浮上。3番手にエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)、4番手にジェームス・デイビソン(デイル・コイン)、琢磨は5番手と好位置につけ、アロンソは9番手。
172周目にリスタート。激しい上位争いが展開される。179周目、佐藤琢磨は、ターン1でアウトからジョーンズとカストロネベスを交わし2番手に浮上する。ポジションをアップしトップ争いに加わろうとしていたアロンソだったが、180周目にエンジントラブルが襲いリタイアに。ここまで素晴らしい走りをみせてくれたアロンソに、スタンドからも惜しむリタイアを惜しむ大きな声援が送られる。
184周目にリスタートが切られるも多重クラッシュが発生し、今日9度目のコーションに。
デイビソンとオリオール・セルビアが接触しウォールにヒット。その2台を避けたジェームズ・ヒンチクリフとパワーが接触。ジョセフ・ニューガーデンもスピンを喫しイン側にヒット。5台がクラッシュする大きなアクシデントとなったが、幸いにもドライバーは無事のようだ。
残り11周でリスタート。トップはチルトン、琢磨が2番手、3番手にはジョーンズを交わしたカストロネベスが続く。
残り7周、ターン3でカストロネベスがチルトンを交わしトップに浮上し、琢磨も続く。残り5周、今度は琢磨がトップに浮上。
逃げる琢磨、追うカストロネベス。緊迫したトップ争いは、琢磨がトップのまま、ラスト1周のホワイトフラッグが振られる。
琢磨はそのままトップをキープしチェッカーフラッグ。日本人初のインディ500制覇という偉業を達成した。琢磨にとって2013年以来のインディカー・シリーズ2勝目は、モータースポーツの歴史に名を刻む大きな1勝となった。
[オートスポーツweb ]
初制覇はすばらしい。
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