関脇・高安が横綱・日馬富士をはたき込みで破り、大関昇進を決定的にした。前日に昇進目安の三役で3場所合計33勝に到達。二所ノ関審判部長(元大関・若嶋津)が求めた“横綱撃破”の課題をクリアし、最後のハードルを越えた。横綱・白鵬は関脇・玉鷲を寄り倒して無傷の13連勝。14日目に白鵬が勝つか、2敗の高安と日馬富士がそろって敗れれば、6場所ぶり38度目の優勝が決まる。
結びの一番を待たずに座布団が舞った。場所後の大関昇進を決定づける11勝目。「少しずつ頑張ってきて、やっと報われた一日。相撲をやってきて良かったと今、改めて思った」と1勝の重みをかみしめた。国技館を出ると、待ちかまえる人、人、人。「大関・高安万歳!」。歓声に頬が緩んだ。
文句の付けようがない。目安となる3場所合計33勝は12日目で達成。反面、横綱戦が未勝利で物足りない点を指摘された。今場所は鶴竜が休場し、対戦は2横綱。白鵬に敗れ、日馬富士戦がラストチャンスだった。下手投げで俵に詰められながらも「冷静だった。だから残せた」と慌てない。突っ込んできた横綱をはたき込んだ。4勝14敗で臨んだ一方で、4個の金星のうち3個は日馬富士から。勝負どころで再び“ハルマキラー”となった。
審判部も昇進へ動き出した。土俵下で見届けた二所ノ関審判部長は「横綱に勝ったのは大きい」と目を細めた。千秋楽の結果まで見届けると強調したものの「(気持ちは)皆さんと一緒。明日、あさって聞いてみる」と明言。14日目、千秋楽の取組を決める会議で、昇進について審判部の意思を統一する調整に入る。
これを受け、高安は「ありがたい。一生懸命やってきたことが評価された」と感謝した。「まだ終わっていない。どんな状況でも堂々とした相撲を取るのが大関」と表情を変えない。わずかながら優勝の可能性も残る。昇進に花を添えるべく、残りを2日間、最善を尽くす。(秦 雄太郎)
(スポーツ報知)
次の横綱候補だろう。
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