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菅義偉首相は12日、新型コロナウイルス感染が急拡大する大阪、愛知など7府県を緊急事態宣言の対象とする方針にかじを切った。 発令済みの首都圏4都県の知事の訴えに続き、またも知事主導で対応を余儀なくされた形。全国への拡大には現時点で慎重だが、今後の感染状況次第では再び軌道修正を迫られる可能性がある。 「大阪をはじめとする厳しい状況にある府県について専門家の意見を踏まえ、速やかに判断していきたい」。首相は12日の自民党役員会で関西3府県を宣言の対象とする方針を表明した。 もともと首相は、大阪の対象追加に否定的だった。大阪市は昨年11月下旬から飲食店への午後9時までの営業時間短縮を要請し、感染抑制の効果が出ているとみていた。首相は今月4日の会見で「大阪など時間短縮を行った県は結果が出ている」と指摘し、7日の会見では大阪の対象追加を否定した。 ところが、大阪では年明けから新規感染者数が急増し、8日には1日当たり654人と過去最多を更新。大阪府の吉村洋文知事は4日、記者団に「(宣言を)要請する考えはない」と発言していたが、9日には京都、兵庫の両知事とともに宣言発出を政府に求めた。 これを受け、首相は10日のNHK番組で「必要であればすぐ対応できるよう準備している」と言及。11日には関係閣僚との協議で、大阪などへの宣言発出が固まった。12日にはさらに愛知、福岡両県なども対象に追加。7日の会見から週末を挟んでわずか数日間での方針転換に、政府内からも「泥縄だ」との声が漏れた。 一方、政府は経済への影響を考慮し、全国への宣言拡大には慎重だ。閣僚の一人は「宣言を出したくないのが本音だ」と語る。政権幹部は「全国発令はない。何でもかんでも我慢を求めるわけにはいかない」と指摘する。 感染状況の悪化に伴い、知事が続々と宣言を要請する事態に、政府高官は「(知事は)宣言の前にできることをしてほしい」と不満を示す。まずは、午後8時までの営業時間短縮など宣言下と同様の対策を講じるよう各知事に促す考えだ。 与野党からも発言が相次いだ。公明党の山口那津男代表は12日、記者団に「現場の要請が出ている。的確に応答してほしい」と強調。立憲民主党の安住淳国対委員長は記者団に「地域から要望され、政府が仕方なく方針を転換して後ろを追いかける形では信頼感をなくす」と酷評し、共産党の小池晃書記局長は会見で「小出し、後出し、右往左往だ」と批判した。
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全国に発令しないと収まらない状況でしょう。
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