配信
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府は再発令した緊急事態宣言で経済社会活動を幅広く制限せず、飲食店の営業時間短縮などに絞った。危機管理の要諦は最悪の事態を想定することだが、感染が収まらない場合の追加措置は明らかになっていない。政府内には罰則付きの時短命令やワクチン接種に期待する声もあるが、宣言期間が終わる2月7日の時点では「次の一手」が見当たらないのが現状だ。
政府はコロナ分科会が示す4段階の基準でステージ3(感染急増)への改善を目安として宣言解除を検討する。2月7日の時点でステージ3のレベルに収まっていなければどうするのか。菅義偉首相は今月7日の記者会見で「仮定のことについて、答えは控える」と述べるにとどめた。
分科会では県境を越えた移動の制限を求める声もあった。当初案では百貨店や遊興施設も時短要請の対象としていたが、法的根拠がない「働きかけを行う」との表現にとどめた。飲食店のさらなる時短や休業も追加対策として例示できたはずだが、政府首脳の口は重い。下手に言及すれば「対策が小出しになっている」との批判を招きかねない事情もある。
政府は新型インフルエンザ等対策特別措置法に罰則規定を盛り込んだ改正案を18日召集の通常国会に提出する方針だ。しかし、2月初旬に成立したとしても施行は中旬以降となり、2月7日には間に合わない。
こうした中で政府が期待するのがワクチンの接種だ。とはいえ、政府はワクチン接種の開始を2月下旬、国民に行き渡るのは6月までとしている。
万策尽きても日本では法制上ロックダウン(都市封鎖)はできず、憲法に「緊急事態条項」もない。政府高官は「海外では民主主義国でも本当に危険になれば政府の判断で強い措置を取れる。戦後日本がどんなに平和だったかということだ」と嘆息する。
いずれにせよ、1カ月後に追加できる有効打は見つかっていない。それにもかかわらず、首相は「1カ月後には必ず事態を改善させる」と言い切った。政治家人生で数々の勝負を仕掛けてきた首相は背水の陣で挑もうとしている。(児玉佳子、市岡豊大)
*****************************************************
何を根拠に、1ヵ月後に改善だろうか。改善できない場合は、同様に生ぬるい対策がだらだら続き、東アジアで最悪の事態となるのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿