通常国会が18日、召集される。新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発出される中、政府、与党は対策の柱となる2020年度第3次補正予算案と、コロナ特別措置法改正案の早期成立にまずは全力を傾ける。ただ、政府の一連の対応に「後手」との批判が高まっており、「政治とカネ」を巡る問題も再燃し、野党の厳しい追及は必至。内閣支持率が急落している菅義偉首相は次期衆院選の時機も見据えつつ、きわどい国会運営を強いられそうだ。
会期は6月16日までの150日間で、夏に東京都議選と東京五輪を控えており、会期延長は困難とみられている。開会日の18日に首相が施政方針演説し、それに対する衆参両院の各党の代表質問は20日から3日間となる。
序盤の注目点は、第3次補正予算案の成立後に審議入りするコロナ特措法改正案だ。緊急事態宣言下で休業、営業時間短縮に応じない事業者に50万円以下の過料を科す罰則を導入する内容だが、野党には否定的な意見もあり、攻防が予想される。政府は2月上旬の成立を目指すが、法律の周知期間があるため、緊急事態宣言期間の2月7日までの施行は難しい見通し。
野党は、観光支援事業「Go To トラベル」の全国停止、緊急事態宣言の再発出、入国制限など水際対策の強化のタイミングが遅いなどと、政府のコロナ対応をただす。
「政治とカネ」の問題では、召集直前の15日に吉川貴盛元農相=衆院議員を辞職、自民党離党=が収賄罪で在宅起訴され、親しい関係だった首相に打撃となった。野党は「吉川氏の国会招致は不可欠だ」(立憲民主党幹部)と息巻き、加えて、安倍晋三前首相側による「桜を見る会」前日の夕食会費用補填(ほてん)問題も重ねて取り上げ、攻勢をかける。
10月に衆院議員の任期満了を控える今年は、首相がいつ衆院解散に踏み切るかが政治の最大焦点。
通常国会会期中の4月25日には、衆院北海道2区と参院長野選挙区の両補欠選挙がある。自民は北海道2区の候補擁立見送りを決めたが、長野選挙区には擁立する方向だ。ここに衆院選をぶつける同日選の可能性もささやかれるものの、公明党の石井啓一幹事長は「仮に厳しい補選をしのぐためであれば、意図はすぐ見透かされる」とけん制している。
デジタル庁創設に向けた関連法案などを着実に成立させ「働く内閣」をアピールし、閉会後には東京五輪・パラリンピックを成功に導き、その実績を掲げて秋に解散-というのが最もあり得るシナリオ。だが、最近の報道各社の世論調査では、内閣支持率を不支持率が上回る結果が相次ぐ。さらに支持率が続落していけば、与党内から「菅総裁の下では総選挙を戦えない」との声が噴出して政局になる可能性もゼロではない。まずは、早期に新型コロナを収束に向かわせられるか否かが、首相の命運を握る。 (森井徹)
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ここまで支持率急落であれば、国民や飲食店に嫌われても、強力な対策で、コロナを収束させるしかないだろう。その後のV字回復目指して。
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