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大阪市北区の繁華街・北新地のキャバクラ店で勤務するホステスの女性(35)が昨年12月、過去3年間にわたり5千万円余りを脱税したとして、所得税法違反罪で大阪地検に告発された。水商売で得た収入を税務署に全く申告してなかったというわけだ。こうした夜の仕事は、新型コロナウイルスの影響で本業の収入が減った人の副業先となるケースが目立つ。副収入の額が年間20万円を超えれば確定申告をしなければならないが、中には納税意識が低い人もおり、国税当局が注意を呼びかけている。(森西勇太)
■数億円の報酬
関係者によると、告発された女性は、店で最も人気の高い“ナンバーワン”だった。「時給」や「日給」で働くホステスには、店側があらかじめ所得税を差し引いた上で給料が支払われるが、人気ホステスには、一般的に指名数や客が注文した酒の金額に応じて報酬が支払われ、月収が100万円を超えることも珍しくない。この女性も例外ではなく、3年間の報酬額は数億円に上った。
女性は店の従業員ではなく、契約に基づき個人事業主の扱いを受ける。毎年2~3月には前年の所得を確定申告し、税金を納めなければならなかったが、平成30年12月までの3年分の申告を怠っていた。
課せられた追徴税額は、無申告加算税を含め約6200万円。全額納付するだけの資金は蓄えていたようだが、所得税法違反罪で刑事裁判にかけられており、無申告の代償は重かった。
■不正目立つ「夜の店」
国税庁は、令和元事務年度(令和元年7月~令和2年6月)の所得税に関する調査で、事業で得た所得を正しく申告しなかった人の職業を業種別に分類。申告漏れ所得金額の平均値を見ると、トップは風俗業の3373万円で、2873万円のキャバクラが3位に入った。
分類上、キャバクラがキャバレーに含まれていた平成28事務年度まで過去6年間にわたり、キャバレーと風俗業が1、2位を独占。29、30事務年度もキャバクラと風俗業がトップ2を占めた。夜の店で申告漏れが相次ぐのはなぜか。
店によっては、収支記録がずさんで、数百万円に上る報酬も詳しい明細がないまま現金で支払われる。国税関係者は「報酬額に関する証拠が残りにくく、税を正しく納めなくても『バレない』と考える人もいる」と説明する。
■コロナ禍で志望者増
飲食業界の関係者によると、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、副業で新たにホステスを始める女性が増えているという。
北新地でラウンジを経営するママによると、国内で感染が広がった昨年は、ホステスの応募が例年の約1・5倍に増加。「店を移りたい女性だけでなく、休業要請や在宅勤務の影響により、昼の仕事の収入が減った子も来る」と話す。
だが働き始める上で注意すべき点は、副業による所得が年間20万円を超えれば確定申告が必要なことだ。額を示す源泉徴収票を副業先から受け取り、税務署に提出しなければならない。
最近スナックで働き始めたという、昼は事務職の20代女性は「あくまで副業だが、そもそも申告の必要性すら知らなかった」と驚いた様子を見せ、「生活がきつい。納税しないといけないとは思うのだけど…」と微妙な表情を浮かべる。
今年の確定申告期間は2月16日から3月15日までと予定されている。国税関係者は「水商売に限らず、副業の所得額によっては申告が必要になる。十分気をつけてほしい」と警鐘を鳴らしている。
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きちんと申告しないと、後で大変なことになります。多額の場合、告発されて、前科者になります。税理士や税務署に相談してください。
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