政府・与党は2022年度税制改正に向け、賃上げを行った企業を対象とする税制優遇の強化に向けて検討を本格化させる。
岸田文雄首相は10月の就任前から繰り返し意欲を示してきたが、経済界は「経済成長がなければ賃上げは厳しい」と訴える。既存の優遇税制では賃上げ効果が限定的だった面もあり、どのように実効性を高められるかが課題だ。政府は自民・公明両党と調整を進め、年末に税制改正大綱をまとめる。
「成長を実現し、その果実を国民一人ひとりに給与の引き上げという形で実感してもらう」。首相は1日の記者会見で、企業に賃上げを促す税制を抜本的に強化する考えを改めて強調した。
賃上げ税制は第2次安倍政権下の13年度に導入され、拡充や見直しが繰り返されてきた。現行で大企業は新規雇用者の給与を前年度より2%以上引き上げると、支給額の15%を税額から差し引くことができる。中小は従業員の給与を1.5%以上増やすと、支給増加分の15%を同様に控除できる。
今回の税制改正では、賃上げ企業に対する優遇の拡充が軸となる見通しだ。一方、財務省からは「『一人ひとり』の給与が上がったのをどう確認するのか」との懸念が聞かれる。また、税制優遇の恩恵を受けるのは引き続き黒字企業のみとなる。大企業は7割が黒字だが、中小は4割未満にとどまり、税制でてこ入れできる範囲は限られそうだ。
国内の平均賃上げ率(連合調べ)は、15年に2.2%に到達した後は鈍化傾向だ。今年は新型コロナウイルス禍の影響で製造業や交通、サービス業などが悪化し、1.78%と0.12ポイント下落。財界関係者は「上げられそうなら上げるし、無理なら無理。結局は業績次第だ」と語った。
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税制で賃上げは難しいでしょう。また大企業の優遇でしょうか。税金で賃上げは本末転倒でしょう。
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