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前原 志保 :九州大学准教授
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台湾は、中国の一部ではなく、内政問題でもないことが、スタートでしょうか。
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■イデオロギーに沿った言説の拡散に危機感 今回の高市首相の発言は、従来の日本政府の立場を変えたものではないものの「曖昧戦略」から一歩踏み込んだものであり、今このタイミングで具体例を示す必要があったのかには疑問が残る。だからこそ彼女自身、すぐに「今後は特定のケースを想定したことを国会で明言することは慎む」と発言を修正した。アメリカにも同様の「踏み込み過ぎた発言」の事例があり、後に「従来の見解と変わらない」と火消しを図っている。そうした前例を考えれば、高市氏の迅速な修正は妥当な判断だったといえる。
今回、私がとりわけ遺憾に思ったのは、一部の左派・リベラルの言論が、日本政府自身の立場を踏まえずに、中国政府の主張をほとんど検証もせずに受け入れ、台湾のただでさえ狭い「国際的な空間」をさらに狭めてしまうことを手助けしていることである。日本の外交官たちが神経を尖らせながら練り上げてきた文言を雑に読み、そのうえで自分のイデオロギーに沿った言説が拡散していることに危機感を覚える。 台湾は、2300万人の生身の人間が暮らす場所だ。台湾人は、自らが獲得した自由と民主主義と人権を守るために、中国からの武力威嚇に備えざるを得ない状況に置かれている。リベラルが掲げる「普遍的価値」とは何なのか。いま一度、冷静に立ち止まり、台湾、中国に関するきちんとした知識を土台に、この議論を進めていくことを強く期待したい。
前原 志保 :九州大学准教授
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台湾は、中国の一部ではなく、内政問題でもないことが、スタートでしょうか。
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