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ロシアのウクライナ軍事侵攻開始から24日で1カ月。ロシアのプーチン政権は圧倒的に優位な軍事力でウクライナのゼレンスキー政権を屈服させることを狙っていたとされるが、そのシナリオはウクライナ軍の激しい抵抗で崩れた。ロシア軍の多大な損失も伝えられる中、国内での権威失墜を恐れるプーチン大統領としては戦果なしの停戦を受け入れるのは難しく、先行きを見通せない状況が続く。 ◇団結演出に腐心 「戦場で兄弟のように身を挺(てい)して、銃弾から互いを守っている。これだけの結束は長らくなかった」。プーチン氏は18日、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島併合8年に合わせた行事で、侵攻したロシア軍の戦いぶりを大観衆の前で称賛した。当局は20万人以上が行事に集まったと発表した。 政権が国民団結の演出に腐心する一方、ウクライナでの戦況はこう着状態に入り、ロシア側の損失拡大が指摘される。ロシア国防省は2日に自軍の戦死者数を「498人」と公表したが、それ以降は明らかにしていない。将官ら上級将校の前線での戦死が伝えられ、米メディアは情報当局の分析として、ロシア兵7000人が戦死したと報じている。 想定外の苦戦を強いられたロシア軍が、当初の計画を変更したとの見方が広がる。ロシアはウクライナの首都キエフを早々に陥落させ、ゼレンスキー政権の転覆を狙っていたとされる。プーチン氏は侵攻開始翌日の2月25日、ウクライナ軍に「権力を手に入れろ」とクーデターをけしかけていた。 キエフ攻略が思うように進まない中、ロシア側は、クリミアと親ロシア派が実効支配するウクライナ東部ドンバス地方を陸路で結ぶ南東部の制圧が目に見える戦果になり得ると判断し、要衝マリウポリへの無差別攻撃を激化させている。また、自軍の損失を抑えるため、遠隔地からウクライナ領内にミサイルを撃ち込んで圧力をかけている。停戦交渉を有利に進める狙いとみられ、こうした攻撃を継続させる恐れも出ている。 ◇国民を分断 戦果が挙がらず「焦り」が指摘されるプーチン氏は「ロシア国民は真の愛国者と裏切り者を見分けることができる」とどう喝。ロシア国内では侵攻に反対する国民に「裏切り者」のレッテルを貼る動きが広がる。 ロシア内政に詳しいカーネギー財団モスクワ支部のアンドレイ・コレスニコフ上級研究員は、独立系メディア「ニュー・タイムズ」に寄せた論考で、プーチン政権はウクライナだけでなく、ロシア国内で「第2の戦線」を開き、国民に対する「特別作戦」を進めていると分析。国民を「和解できない二つの陣営に分断した」と論じた。 一方でコレスニコフ氏は、政権が求心力維持のために最重要視してきた第2次大戦のソ連の対ドイツ戦勝記念日である5月9日に言及。プーチン氏がこの日に「勝利」を宣言する必要に迫られていると指摘し、一つの節目になるとの見方を示している。(時事)
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軍事侵攻失敗、厳しい経済制裁、世界からのロシア排除で、プーチンの求心力が低下して終わりも近いでしょう。
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