配信
【ワルシャワ=寺口亮一、ワシントン=田島大志】ロシア国防省は19日、ウクライナに侵攻しているロシア軍が、極超音速ミサイル「キンジャル」で18日に西部イワーノ・フランキーウシク州の地下軍事施設を破壊したと発表した。露軍が2週間以上、包囲してきた南東部の港湾都市マリウポリでは市街戦が激化している。取り残された市民の人道危機が一段と深刻化する恐れがある。
音速の5倍以上で飛行する極超音速兵器は、探知や迎撃が極めて難しく、ロシアと米国、中国などが開発を競っている。ロシアは最新鋭兵器を誇示し、ウクライナを軍事支援する米欧を威嚇する狙いとみられる。タス通信は、露軍の極超音速兵器の実戦での使用は初めてと伝えた。
キンジャルは戦闘機から発射され、射程2000キロ・メートル程度とされる。侵攻直前の2月19日、プーチン露大統領が指揮した軍事演習で試射したと発表していた。
米国のオースティン国防長官は18日、米CNNのインタビューで、露軍が軍事作戦で「多くの失敗をしている」との見方を示した。英国防省は19日、ロシアが短期決着から「消耗戦」への転換を余儀なくされているとの分析を明らかにした。戦線の行き詰まりを打破するため、キンジャルを使用したとの見方もある。
英BBCによると、マリウポリ中心部で19日、露軍とウクライナ軍との市街戦が激しさを増した。マリウポリは住居用建物の8割以上が被害を受け、住民2500人以上が死亡したとされる。依然として約35万人が市外に脱出できずにいるという。
16日に露軍の空爆で倒壊した劇場では、地下に避難していた数百人規模の住民が、がれきの下に生き埋めになっている恐れもあるが、市街戦の影響で救出活動が難航している。
ロイター通信によると、ウクライナ国防省は18日、マリウポリが面する南東部のアゾフ海への「接続が一時的にできなくなった」と認めた。露軍はウクライナ東部と南部の沿岸地帯を制圧し、ウクライナの「内陸国」化を図っている模様だ。
国際移住機関(IOM)などは18日、ロシアの侵攻開始後、ウクライナ国内の避難民が約650万人に上っているとの推計を明らかにした。国外に逃れた難民(約332万人)との合計は総人口の約2割に相当する1000万人に迫る。
*************************************************************
日本も防衛のため、このミサイルの配備は有効でしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿