ロシアによるウクライナ侵攻が始まって1か月が経過した。ロシアのプーチン大統領(69才)は「作戦は計画通り」と繰り返すが、その胸中は穏やかではないだろう。実際はウクライナに苦戦中だ。この状況に、プーチン氏の精神状態に異変が起きているとする情報もある。自衛隊元陸将の福山隆さんが言う。
「プーチン氏はウクライナ侵攻が思うように進まず、追い詰められています。いまのプーチン氏なら何をしてもおかしくはない。合理的な判断ができない状態となれば、あらゆるリスクを想定しておかねばなりません。すでに日本政府は、わが国に戦火が及ぶという最悪のシナリオへの準備を始めている可能性がある」 福山さんの言うように最悪を想定するなら、近日中にもプーチン氏による暴挙は始まるかもしれない。 「少数精鋭のロシア兵を道北から上陸させ、まずは日本海側にもオホーツク海側にも道路がつながる音威子府のような要衝を占拠するでしょう。その北海道の北部を拠点に圧力をかけることが考えられます」(福山さん) 占拠する北方領土からミサイルを発射する可能性もある。 「歯舞群島に属する水晶島は、北海道本土からわずか7kmしか離れていません。目と鼻の先の根室市にミサイル攻撃するのは非常に簡単なことです」(福山さん) 危険なのは北海道だけではない。ウクライナで使用したと発表された空中発射型の極超音速弾道ミサイル「キンジャール」の射程は、2000~3000km。北方領土からの発射で日本列島がすっぽり射程圏に入る。
もとより、ロシアは軍事大国で最新の武器を備える。超巨大ICBM(大陸間弾道ミサイル)「サルマト」の射程は1万1000kmに及び、最大16個の核弾頭が搭載可能とされている。わずか10発でアメリカの全国民を殺害する威力を持つといわれている。プーチン大統領(69才)研究の第一人者で、筑波大学教授の中村逸郎さんはいう。 「日本が攻め込まれれば、第二次世界大戦同様にヨーロッパで始まった戦争がアジアに飛び火することになるでしょう。プーチン氏が日本に軍事力を行使することは、その先の世界大戦も視野に入れているということです」(中村さん) だが、日本にはアメリカとの日米同盟がある。有事の際は日本に駐留するアメリカ軍が敵国から守る条約だ。しかし、そんな最後の砦さえも砂上の楼閣なのかもしれない。 現にウクライナは1994年、当時世界3位の規模を誇った核兵器を放棄する代わりに領土の安全が保障される「ブダペスト覚書」を、アメリカ、イギリス、ロシアなどと締結した。しかし今回、そのアメリカはウクライナへの軍派遣を「世界大戦になる」との理由で実行していない。 「日本がロシアに攻め込まれたとしても、残念ながらアメリカはかかわってこない可能性もあるでしょう。ウクライナ侵攻を阻止できなかったアメリカのバイデン大統領が、日米同盟だけは遵守するということも考えにくい。いまの状況が悪い前例となり、ロシアにとっては日本侵攻のハードルが低くなったといえます」(中村さん) 最悪のシナリオは動き始めている。
※女性セブン2022年4月7・14日号
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ロシアが北海道に攻めるなんて、本当に思っている人はいるのでしょうか。
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