岸田文雄首相は5日、浜田靖一防衛相と鈴木俊一財務相と首相官邸で会談し、月内に決定する中期防衛力整備計画(中期防)で示す2023~27年度の5年間の防衛費の総額を「43兆円規模」とするよう指示した。首相は23~27年度の防衛費と27年度以降の防衛力維持のための経費の財源確保に向け、歳出改革や剰余金・税外収入の活用、税制措置を例示し「歳出・歳入両面の具体的措置について、年末に一体的に決定すべく調整を進める」と述べた。税制措置については自民、公明両党で引き続き検討する。
現行の中期防(19~23年度)の防衛費の総額は「27兆4700億円程度」となっており、約1・57倍の大幅な増額となる。
浜田氏は首相との面会後、記者団に対し、43兆円程度の総額について「防衛省、自衛隊として役割をしっかり果たすことができる水準」とし、「財源確保のために税制措置を含め検討してもらえるのは大変ありがたく、身の引き締まる思いだ」と述べた。
首相は浜田、鈴木両氏との会談に先立ち、公明党の山口那津男代表と会談し、防衛力強化の財源確保策について、与党の税制調査会での議論の前に両党幹部による「与党協議会」で話し合うことで一致した。安全保障に関する与党協議会は自民の麻生太郎副総裁、公明の北側一雄副代表らがメンバーを務める。山口氏は会談後、記者団に防衛費の財源について「最終的には与党と協議を進めて政治決着を図ることとなっている。今後、具体的な進め方を決めていくことになる」と指摘し「国民の理解を得ながら財源措置について責任ある方針を示すべきだ」と述べた。
防衛費を巡っては、首相が11月28日、防衛省の予算に安全保障関連の研究開発やインフラ整備などの経費を合算した関連予算を、27年度時点で国内総生産(GDP)比2%とするよう鈴木、浜田両氏に指示していた。政府は2%の計算の基準を22年度のGDPとする方針を示しており、関連予算の目標は「約11兆円」となる。政府は中期防で明示する防衛費を軸として、この目標の達成に取り組むことになる。
新たな中期防に盛り込む防衛費の総額に関して、防衛省は当初約48兆円と見積もる一方、財務省は30兆円台半ばとするよう求めていた。11月28日の首相指示の後、防衛省と財務省は40兆~43兆円の間のいずれかの金額とする方向で調整を進めていた。【今野悠貴、松山文音】
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防衛費増額に国民の理解が得られるのでしょうか。増額に反対です。
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