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岸田文雄首相は23日午後の衆院本会議で、施政方針演説を行った。 防衛費大幅増に伴う増税に関し、「今を生きるわれわれが将来世代への責任として対応する」と述べ、改めて国民に理解を要請。子ども・子育て政策を「最重要政策」とし、出生率の反転を目指すと表明した。春闘を念頭に、物価上昇を超える賃上げにも意欲を示した。 首相は各政策課題の中で「防衛力の抜本的強化」を最初に取り上げ、2027年度までの5年間で43兆円の予算を確保し、反撃能力(敵基地攻撃能力)保有や南西地域の体制整備に取り組むと説明。新たな安定財源が毎年度4兆円必要になるとし、行財政改革で3兆円程度を捻出しても不足する約1兆円について「将来世代に先送りしない」と訴えた。ただ、「増税」など直接的な表現は避けた。 今回の防衛力強化を「安全保障政策の大転換」と指摘。同時に、非核三原則や専守防衛の立場は「いささかも変えるものではない」と強調した。 首相は80万人割れが見込まれる昨年の出生数に触れ、「社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際」にあると明言。年齢や性別を超えて社会全体で関わる「従来と次元の異なる少子化対策」を実現すると表明した。 経済財政運営の基本指針「骨太の方針」を決定する6月までに「予算倍増」に向けた大枠を示すと説明。増税には演説で触れなかった。 「新しい資本主義」に関しては、「持続的に賃金が上がる構造をつくり上げる」と述べ、経済界へ協力を要請。政府調達参加企業での賃上げを公約し、焦点の中小企業については生産性向上や価格転嫁を後押しする考えを示した。 ロシアのウクライナ侵攻などに伴う資源高を受け、首相は「多様なエネルギー源を確保しなければならない」と指摘。安全確保と立地自治体の理解を大前提とした上で、従来の政策を転換し、廃炉となる原発の次世代革新炉への建て替えや原発の一定期間の運転延長を進める方針を打ち出した。 外交面では5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)に関し、「核なき世界」の取り組みを主導し、インドやアフリカなど「グローバルサウス」への関与を強める意向を示した。 新型コロナウイルス対策では、感染症法上の位置付けを春に「5類」に引き下げる方向で検討し、マスク着用ルールも見直すと語った。 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題は、被害者救済に引き続き取り組む姿勢を強調。憲法改正については「先送りできない課題だ」として国会論議に期待を示した。
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持続的に賃金が上がる構造は夢でしょう。現実は増税で賃金減でしょうか。
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