日本ハムがFA移籍した近藤健介外野手(29)の人的補償として、ソフトバンクから田中正義投手(28)を獲得することが9日、分かった。10日に正式に通達する。16年ドラフト1位で指名も、5球団競合の末、交渉権を得られなかった経緯がある。球団はこの日、千葉・鎌ケ谷で“初仕事”の新庄剛志監督(50)を交え人的補償選手を決定。また、スタッフ会議を行い、同監督がサバイバルキャンプを予告した。 ◇ ◇ ◇ かつてラブコールを送った剛腕と、新球場元年を歩み出す。日本ハムがFA移籍した近藤の人的補償として、ソフトバンク田中正を“指名”することが決まった。16年ドラフト会議で1位入札しながら、抽せんで得られなかった“思い人”だ。この日、千葉・鎌ケ谷で新庄監督を交えて最終確認。創価大時代、最速156キロの剛速球で超目玉と騒がれた右腕との縁が、8年越しでつながった。 球団側が求める快速球投手という補強ポイントに、ズバリ当てはまる。田中正は開幕直前に痛めた右肩の影響もあって、昨季は5試合の登板にとどまった。状態が懸念されたが、シーズン終盤や秋季キャンプの状態に加え、周囲の情報収集により、球団側は剛腕復活を確信。先発、リリーフにこだわらず、大投手になれるという評価は、16年から変わっていない。年明けからは、田中正の大学時代の同僚でマネジャーを務めていた球団職員の酒井俊明氏が広報に就任。グラウンド内外でのサポート役に、うってつけだ。 新庄監督も、その快速球に見ほれた1人。大学時代の映像を繰り返し見ていたようで「大学時代のように復活できるかどうか」と、名前は挙げずとも、魅力を口にしていた。新庄監督との話し合いを終えた稲葉ゼネラルマネジャーは「球団側が思っていることと、監督が思っていることは、ちゃんと合っていた」。思惑が一致し、迎える新戦力。球団スローガンの「新時代」に、大きなピースが加わる。 ◆16年ドラフトVTR ドラフトの目玉とされた田中正義(創価大)は1位指名でロッテ、ソフトバンク、巨人、日本ハム、広島の5球団が競合。抽選ではソフトバンクの工藤監督が当たりくじを引いた。日本ハムは外れ1位で佐々木千隼(桜美林大)を指名したが、ここでも5球団が競合。再び外れて(当たりはロッテ)、堀瑞輝(広島新庄)を指名した。
◆田中正義(たなか・せいぎ)1994年(平6)7月19日、横浜市生まれ。創価で1年秋に外野手に転向し、創価大で投手に再転向。3年時に大学日本代表。ユニバーシアード大会で初の金メダルに貢献。16年ドラフトで5球団の1位指名を受け、ソフトバンク入団。2年目の18年4月1日オリックス戦でプロ初登板。通算34試合、0勝1敗、防御率4・25。今季推定年俸1200万円。188センチ、93キロ。右投げ右打ち。
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いまさら活躍できるのでしょうか。
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