少子化対策は待ったなしだ。予算倍増も不可欠だ。しかし消費税増税による「支援」というのは本末転倒である。 岸田文雄首相が年頭会見で示した「異次元の少子化対策」を巡って、裏付けとなる財源議論が政権の課題として浮上している。 岸田首相は子ども予算倍増に向けた大枠を、6月に策定する「骨太方針」に盛り込むという。 月内には少子化対策強化の政府会議で、児童手当拡充や仕事と育児の両立などの支援策議論を始め、3月末をめどに、たたき台となる方針を取りまとめる予定だ。 たたき台を踏まえ、「こども家庭庁」が発足する4月以降、財源を含む議論を加速させるとする。 子ども関連政策の司令塔となる同庁の初年度予算は約4兆8千億円。倍増には数兆円規模の予算が必要だ。 岸田首相が「異次元」という表現を使い強い意欲を示した背景には、2022年に生まれた赤ちゃんが80万人を割り、過去最少になる見通しとなったことがある。 合計特殊出生率が戦後最低となった1990年の「1・57ショック」を契機に少子化は社会問題化した。あれから30年余、政府はエンゼルプランに始まる計画を次々と打ち出したが、失敗続きで少子化に歯止めをかけることはできなかった。 これまでにない思い切った支援策と、支援を具体化する財源をセットで示さなければ同じ轍(てつ)を踏むことになる。 ■ ■ 財源を巡って自民党内からは、消費増税論も出ている。 同党税制調査会幹部でもある甘利明前幹事長がBS番組で「将来の消費税も含め、地に足をつけた議論をしなければならない」と述べ、税率引き上げも検討対象になるとの認識を示したのだ。 財源議論は避けては通れないが、物価高騰と実質賃金の下落で家計が逼迫(ひっぱく)する今、子育て世代にさらに負担を課すことになる消費増税は選択肢としてあり得ない。 日本の子育て支援への公的支出の低さはよく知られている。所得から税金や社会保険料をどれだけ払っているかを示す国民負担率も50%近くに達している。 子育てにお金がかかるため2人目、3人目を諦めたという夫婦も少なくない。 倍増は必要だ。ただし無駄な予算の削減や富裕層優遇の税制の見直しなど手を付けなければならない課題は他にある。子育て世代への支援となる方法を模索すべきだ。 ■ ■ 昨年12月の全世代型社会保障の報告書で、子育て支援拡大が打ち出されたものの、財源論には触れていない。 防衛費大幅増のあおりで、予算枠が狭まったしわ寄せが及んだのだ。 岸田首相は自民党総裁選の時から子ども予算の倍増を明言している。 「異次元」と表現する割には、のんびりし過ぎではないか。
人口が社会のさまざまな分野や政策に影響を及ぼしていることを考えると、むしろ優先順位が高いのは少子化対策の方だ。
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少子化で日本の人口減少はダメなのでしょうか。経済的理由などから結婚や子育てを嫌う若者に予算を手当てして、どれだけの効果があるのでしょうか。
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