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根源的な解決
1990年代初頭のバブル全盛期、およそ500兆円に成長した日本のGDPは、ほとんど横ばい。それを失われた30年と称し、個人所得はいっこうに上向かない、と嘆く評論家が多い。半面、この間大企業は巨額の利益を上げ、'21年度にはついに、内部留保がGDPに並ぶ500兆円を突破した。つまり、ウハウハなのは一部の大企業だけであり、格差社会が広がるのは当たり前なのである。 わが岸田首相は、だから日本は経済成長しなければならないと言う。しかしこの10年来、欧米が成長できたのは、移民政策で人口が増えて国内生産が伸びたからに過ぎない。結果、所得格差が社会問題になり、庶民のためと称してインフレ抑制の利上げという政策転換に踏み切った。 人口100億時代を目前にした地球は、やがて食糧の奪い合いになり、破滅の道を歩むと言われる。仮にこの先、欧米や日本のような先進国が東南アジアやアフリカ並みに人口を増やし続けたらどうなるか。 世界がそんな危機に直面している2023年、日本はいまだ経済成長一辺倒で右往左往している。そもそも成長は必要なのか、誰のための政策なのか。年始早々、暗い話になって恐縮だが、岸田政権は腹を据えてその根源的な解決に挑まなければ、何をやっても頼りない、と言われ続けるに違いない。 「週刊現代」2023年1月14・21日合併号より
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もし日本の人口が半減したら、地価が下がり、食料自給率が上がり、今よりも豊かかも知れない。
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