ロシア軍が包囲したウクライナの諸都市を対象に「人道回廊」の設置を表明したことを受け、シリア内戦でロシアの支援を受けたアサド政権が用いたのと酷似する戦術を展開しようとしているという見方が強まっている。
シリアでは、反体制派戦闘員や民間人を指定地域に退避させ、従わなければ攻撃強化を警告。強引に都市の掌握が進められた。ロシアの助言を受けて行われた戦術とみられ、ウクライナでも同様の手法で制圧を目指す可能性がある。
ロシア軍はウクライナ北東部の第2の都市ハリコフではロケット弾を住宅街などに向けて発射。南東部の要衝マリウポリでも包囲攻撃を仕掛けた。ロシアのプーチン大統領は外国首脳との電話会談で「民間人の生命と安全を守るためにあらゆる可能なことを行っている」と伝えているが、ロシア軍の攻撃で多くの民間人が犠牲になっているのは明らかだ。
こうした状況に関し、英国防省は6日発表の分析で「ロシアは1999年に(ロシア南部)チェチェンで、2016年にシリアで同様の戦術を取った」と指摘。「ウクライナの士気を砕くことが目的とみられる」と説明した。
ロシアが15年に軍事介入を始めたシリア内戦で、アサド政権側は反体制派が占拠した北部アレッポの東部地区や、首都ダマスカス近郊の東グータ地区などで包囲作戦を展開。「人道回廊」を設置し、市民らに反体制派最後の拠点の北西部イドリブ県への避難を促す一方、抵抗を続けた反体制派には、無差別爆撃や化学兵器を使ったとみられる攻撃を強化した。
このためシリア内戦での「人道回廊」は総攻撃をかける前の最後通告の意味合いが強いとみなされている。政権軍はロシア軍の支援を受け、16年末にアレッポを制圧。国連によれば、アレッポの死者は5万1000人超と各都市の中で最も多かった。
米シンクタンク「ワシントン近東政策研究所」のアンナ・ボルシュチェフスカヤ上級研究員は「ロシアが交渉を行うのは、時間稼ぎや軍の立て直し、より大きな戦略的影響力を得るためだ。プーチン氏がキエフを第2のアレッポにする恐れもある」と指摘する。シリアで救助活動を行う「シリア民間防衛隊(ホワイトヘルメッツ)」は、「シリア人に対して試された兵器が、今後ウクライナの民間人に使われるのは痛ましい」と強調。首都総攻撃への懸念が高まっている。
*************************************************************
大量虐殺を口実にウクライナに侵攻して、無差別の大量虐殺を行うロシアの狂気に全世界が注目しているでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿