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ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は「国民の動員」に続き、「占領地の併合」という2枚目のカードを切った。特別軍事作戦という名の戦争は7カ月を超え、欧米の兵器を手にしたウクライナ軍を前に苦戦が続く。1枚目で国内の引き締めを図り、2枚目でゼレンスキー政権をけん制して「成果」を誇示する狙いとみられたが、逆にロシアは徴兵拒否と反戦デモに揺れた。戦火は社会不安という形で足元に燃え広がっている。 ◇前言撤回 2014年のウクライナ南部クリミア半島併合以来となる「力による現状変更の試み」。欧米による制裁でさらに苦しむ道をロシア自ら選んだのはなぜなのか。 ロイター通信によると、プーチン氏は「戦争回避」を模索する側近に耳を傾けず、2月に電撃戦を決断した。3日間で首都キーウ(キエフ)を制圧するもくろみは外れ、東・南部4州の占領地を除き、敗走を重ねた。戦死傷者「7万~8万人」(米国防総省)が重くのし掛かったようだ。9月上旬の北東部ハリコフ州撤退は、ロシアでも政界を巻き込んだ議論となり、一部で「プーチン氏責任論」が持ち上がった。 悪いのはトップの判断ではなく軍の態勢―。この理屈を組み立てなければ、政権にダメージが及ぶ。大統領府と国防省は動員へかじを切った。最大野党・共産党のジュガーノフ委員長は13日、もはや特別軍事作戦ではなく「勝つか負けるかで終わる」戦争だとして、動員へ観測気球を上げた。 プーチン氏は東・南部4州の占領地を「歴史的領土」と述べて防衛を訴え「大義」を掲げた。3月の国際女性デーに際し、母親らに「予備役の招集は行わない」と約束していたが、21日の動員令で自ら前言を翻した。 ◇「逃げるのは勇気」 シベリアのイルクーツク州で26日朝、25歳の男が同居する祖母に「義勇兵に志願する」と告げ家を出ると、連絡が取れなくなった。徴兵事務所で銃声が響き、所長が倒れた。国営テレビは同じ日に起きた中部イジェフスクの学校襲撃は盛んに報じたが、この事件には、ほぼ沈黙した。 母親が独立系メディアに語ったところでは、男は招集令状を受け取っていない。しかし、軍務経験のない親友に前日に令状が届き「落胆していた」。ショイグ国防相は、招集は「経験豊富な予備役」だけと約束していた。母親は「部分動員令と言いながら、みんなを招集している」と息子の気持ちを代弁した。 全土で反戦デモも再燃し、人権団体によると、動員令の発表当日からの拘束者は計2400人を超えた。中でも南部ダゲスタン共和国では抗議する住民が暴徒化し、警官隊と衝突している。 ウクライナの男性が祖国にとどまって武器を手に戦う中、ゼレンスキー大統領はロシア人に対し、勇気を出し「動員から逃げて」と訴えた。英国防省によると、動員令から約1週間で空路・陸路で国外に脱出した人数は、2月のウクライナ侵攻に参加したロシア軍部隊の規模をしのぐ。プーチン氏は自軍を強化するどころか、作戦継続に不可欠な国民の支持を失いつつある。(時事)
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もう独裁者プーチンも終わりでしょう。
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