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ウクライナ東・南部4州の併合問題や予備役を徴兵する「部分的動員」の発令を巡り、ロシアの拙速さが際立っている。プーチン露政権は4州の併合を宣言したにもかかわらず、新たな「国境」がどこなのか説明できず、準備不足を浮き彫りにした。露国防省も4日、「動員で20万人が軍に加わった」と発表したが、早くも統制の乱れが伝えられている。動員を逃れようとする国民の国外脱出も後を絶たない状況だ。 4州のロシアの支配地域は、東部ルガンスク州のほぼ全域▽同ドネツク州の約6割▽南部ヘルソン州の約9割▽同ザポロジエ州の約7割-となっている。 4州の併合を定める「条約」は「国境」について「州が形成された日、およびロシアに編入された日の境界によって決定される」と規定。ロシアが想定する「国境」が4州の州境を指すのか、既存支配地域の境界線を指すのか不明確で、露メディアも疑問を呈した。 ペスコフ露大統領報道官は3日、「国境」について質問した報道陣に、東部2州に関しては「州境だ」と明言した一方、南部2州に関しては「地域住民と協議を続ける」と説明。政権にも定見がないことを示唆した。「ウクライナ側の支配地域はどの国に属するのか」という質問にも、ペスコフ氏は回答を避けた。 一方、30万人を招集するとした部分的動員について、ショイグ露国防相は4日、9月21日の導入以降、「新たに20万人が軍に加わった」と成果を誇示した。 しかし、動員では基準を満たさない多数の国民も招集され、政権側が改善を約束する事態となった。招集兵が止血用品などを自前で調達するよう命じられているとも伝えられ、ショイグ氏自らが必要物資を招集兵に渡すよう現場に指示を出す問題も起きた。 米経済誌「フォーブス」のロシア版は4日、露大統領府筋の話として、動員の発表後に60万~70万人の国民がロシアを出国したと報じた。 ウクライナ軍の反攻で劣勢に立たされたロシアは、4州を「ロシア本土」とし「防衛」のために核兵器を使用する可能性を示唆することで、ウクライナに領土の奪還を断念させる思惑だとみられている。動員も4州の「防衛」に向けた兵力補充だとの観測が強い。 だが、ロシアは9月30日の4州併合宣言直後、ドネツク州の要衝リマンをウクライナ軍に奪還された。今後、同州やルガンスク州でウクライナ軍の反攻が進むとの観測が強い。ヘルソン州でも露軍は後退に追い込まれている。 米シンクタンク「戦争研究所」は、士気や練度が低い招集兵を動員しても、露軍が戦局を打開できる保証はないと分析している。
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4州併合で面目を保ちたいロシアとそれを許さないウクライナの戦いも、もうすぐタイムリミットでしょうか。
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