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広島市で開催中の先進7か国首脳会議(G7サミット)は20日、首脳声明を発出した。ロシアの「違法な侵略戦争」に直面するウクライナを「必要とされる限り支援する」としたほか、即時撤兵に向け、中国に対してロシアに圧力をかけるよう求めた。ロシアのウクライナ侵略や中国の強引な海洋進出を念頭に、「一方的な現状変更の試みに反対する」とも強調した。21日の最終日を待たず、前倒しで首脳声明を出すのは異例だ。
21日は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が参加する討議が予定されている。首脳声明への注目度が下がる事態を避けたいとの判断もあり、前倒しで発出したとみられる。
声明は「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」を守り抜く決意を強調。ロシアを支援する国々への代償を増大させると警告した。
被爆地・広島でサミットが開催されたことを踏まえ、「核兵器のない世界」に向けた核軍縮・不拡散の取り組みの強化も改めて確認。「核拡散防止条約(NPT)は国際的な核不拡散体制の礎石」だと指摘した。
中国を巡っては「台湾海峡の平和と安定の重要性」を改めて確認し、東・南シナ海情勢への「深刻な懸念」を表明。「自由で開かれたインド太平洋」の重要性も確認した。一方、中国との「デカップリング(切り離し)」は現実的でないとし、対中依存度を下げる「ディリスキング(リスク回避)」が望ましいと強調した。
急速に進化する生成AI(人工知能)に関する国際的なルール作りを主導するため、「広島AIプロセス」でG7の見解を年内にまとめる考えも表明した。
新興・途上国の「グローバル・サウス」との関係強化も掲げた。ロシアのウクライナ侵略が「世界的な食料安全保障の危機を劇的に悪化させた」と非難。食料難の克服に向け、「パートナーの国々と具体的な取り組みを進める」とした。
経済安全保障の分野では、電気自動車(EV)などの生産に不可欠な「重要鉱物」のサプライチェーン(供給網)強化に向け、G7域外のパートナーとの連携促進を盛り込んだ。貿易や投資を制限して圧力をかける「経済的威圧」から途上国などを守るため、新たな協議体の発足も決めた。
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中国の海洋進出は、ウクライナ侵略と同じでしょう。
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