珠洲市で震度6強を観測した5日以降、市内の42宿泊施設のうち、少なくとも4割に当たる17施設で通常営業ができていないことが7日、NPO法人の調査で分かった。ガラスのひび割れや風呂の破損などの被害が原因で、「取り壊しを考えざるを得ない」と頭を抱える施設も。予約キャンセルが相次ぎ、臨時休業する飲食店も目立ち、コロナ禍から回復途上だった奥能登観光に影を落とした。 ●飲食店は臨時休業 NPO法人能登すずなりは宿泊施設に電話やファクスで営業状況を尋ね、42施設のうち22施設から回答を得た。5施設が通常営業している一方、17施設は臨時休業もしくは食事を伴わない素泊まりのみの対応を取っている。 「コロナや昨年6月の地震から回復していたのに。本当に地震がうらめしい」。市中心部の飯田町で1956(昭和31)年に開業した谷野旅館の女将(おかみ)谷野英子さん(64)がこう嘆く。 旅館は玄関のガラス戸が割れ、内壁の至る所にひびが入り、外壁の一部も崩れた。5日は既に宿を利用していた客には帰ってもらい、6、7日の予約客からはキャンセルが入った。宴会の予約もなくなった。 宿泊できる状態だが、館内の整理に時間がかかり、自宅が被災した従業員がいることから通常営業は難しいと判断。6日から素泊まり客のみ受け入れている。 谷野さんによると、昨年6月の地震以降、本館部分の水道料金が次第に高くなっている。水道管の破損が原因とみられるが、建物の下にあるため確認できない。谷野さんは、今回の地震も重なって建物の取り壊しを検討せざるを得ないとし、「珠洲で宿泊できるところは少ない。できるだけ頑張って営業したい」と前を向いた。 飲食店にも影響が出ている。狼煙町のカフェ「いかなてて」では、瓦がはがれ、雨漏りが発生。店内の片付けはある程度進んだが、雨漏りの解消にはめどが立っていない。店主の糸矢章人さん(43)は「再開は今月中旬くらいになるかもしれない」と話した。 ●被害に負けず営業 一方、建物に被害が出たものの、通常営業を続ける施設もある。輪島市に近い国道249号沿いの真浦町にあるホテル海楽荘。建物の一部やガラスがひび割れしたが、3階以外で客を受け入れている。予約のキャンセルは相次ぐが、社長の池田幸雄さん(69)は「観光客を精いっぱいおもてなしし、珠洲の魚を食べてもらいたい」と力を込めた。 宝立町鵜飼(うかい)ののと鉄道の旧鵜飼駅にある「ナチュラル・カフェ・ミナント」は7日、営業を再開した。オーナーの影田奈央子さん(34)は「地震は怖いが落ち込んでばかりはいられない。明日に向かって頑張りたい」と意気込んだ。 能登すずなりによると、運営する「道の駅すずなり」の入り込み客はコロナ禍前の9割ほどに回復し、4日の売り上げは大型連休中の過去最高を記録した。坂敏文事務局長は「これからという時に、またかという気持ち。風評被害が出てくるだろうが、営業する宿泊施設や飲食店を応援してほしい」と話した。 ●イカの駅再開
スルメイカの巨大モニュメント「イカキング」が人気の能登町の観光交流施設「イカの駅つくモール」は7日、営業を再開した。
**************************************************************
落ち着いたら応援したいも、長期間地震が続く予測もあります。
0 件のコメント:
コメントを投稿