たびたび「健康不安説」が浮上していた、ロシアの隣国ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領がモスクワで、救急搬送されたとの情報が駆け巡っている。ベラルーシの野党指導者、ヴァレリー・ツェプカロ氏が27日、SNSに投稿したと、ウクライナのメディアが伝えた。ルカシェンコ氏は、ウラジーミル・プーチン大統領と密室で会談後に急変したため、海外メディアでは、ロシアにとってより従順な指導者にすげかえるための「毒殺説」も浮上している。
「危機的と判断され、対応するため専門医が派遣された」
ツェプカロ氏は、ルカシェンコ氏の状況をこう伝えた。ただ、「さらに確認が必要」と説明し、信憑(しんぴょう)性は不明だ。
ルカシェンコ氏は30年近く権力を握り、「欧州最後の独裁者」と呼ばれる。欧米とロシアの中間に位置する地理的特性を生かし、米欧とロシアを競わせて双方から利益を引き出してきた。
しかし、2020年の大統領選では、ルカシェンコ氏「圧勝」との政権側の発表に対して起きた開票不正を訴える大規模デモを鎮圧するため、ルカシェンコ氏はプーチン氏の支援を受けた。このため、米欧との関係が極度に悪化。その後ロシアとの関係を強化し、今月にはロシアの戦術核兵器のベラルーシへの配備受け入れで正式合意した。
国際社会で孤立を深めるプーチン氏にとって、「盟友」ともいえるルカシェンコ氏だが、今年に入ってからはたびたび体調の不調が指摘されてきた。
ルカシェンコ氏は、今月9日にモスクワで行われたロシアの「戦勝記念日」の式典に右手に包帯が巻かれた状態で出席した。パレードではわずか約300メートルの距離を小型車で移動し、夕食会を欠席した。ベラルーシに帰国した後も主要行事を欠席しており、心臓に疾患があるのではとの憶測が飛び出していた。
一方で、ロシアによる「暗殺説」も消えない。
ベラルーシは、昨年2月に始まったウクライナ侵略で、ロシア軍の進撃拠点の一つとなったものの、ルカシェンコ氏は「挑発」を受けない限り参戦しないと主張した。ロシアとの関係についても「ベラルーシの主権は維持する」としており、プーチン氏にとってルカシェンコ氏は決して、都合のいいリーダーではなかった。
英紙デイリー・メール(電子版)は28日、「より従順な指導者を求めているロシアの特務機関によって毒殺されたとの憶測がある」と伝えた。
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プーチンに不都合なリーダーの末路でしょうか。
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